2022 Fiscal Year Annual Research Report
Formation and process clarification of temperature-shrinkable twisted wire by optical vortex
Project/Area Number |
22K04772
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
豊田 耕平 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (40740212)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非線形工学 / 光渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、光渦と金属イオン添加ハイドロゲルを組み合わせ、ツイストワイヤという新奇カイラル構造体を形成することを目的としている。温度応答性ゲルを用いた物性制御素子として、ツイストワイヤの形成プロセスとハイドロゲル物性の関係評価を行い、自在に捩じれピッチや屈折率を制御できる温度伸縮ツイストワイヤ開発を目指している。光還元反応を用いた金属析出を行い、光渦を用いて捩じれ構造を持ったツイストワイヤを作成し、その物性を計測することで、新奇カイラルソフトマテリアルの創成を目指す。本助成期間では、NIPAMの温度変調特性の測定と、ゲル内部に形成される構造体の形状と過程について、時間更新型のビーム伝搬法を開発しシミュレーションを行った。NIPAMの温度変調特性については、ホットプレート上で温度を上昇させた結果の直径変化を計測し、70度で60%程度までゲルサイズが非線形的に減少することが分かった。一方で光透過率は温度が上がると低下し、サイズと透過率のバランスを考える必要があることがわかった。 さらに時間更新型のビーム伝搬法を用いて、金螺旋構造形成の過程を確認した。このビーム伝搬法では、光の入力に応じて屈折率が変化し、導波路が形成された。この導波路上に再度光を入力することで、光の導波経路が変化するように設計した。その結果、光渦が入射してから約2秒で、焦点部分での導波路がねじれることが確認された。さらに、そのねじれ方向は光渦の軌道角運動量に応答していることが明らかになった。 これらの結果から、温度変調型ハイドロゲルによる金螺旋構造の形成に関する研究を、理論面と実験面の両面から進めることができることが示唆された。
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