2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of wood forming method with high hydrostatic pressure that achieves large deformation and high strength
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22K04773
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
梶川 翔平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (00772815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保木 孝 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90361823)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 木材・木質材料 / 塑性加工 / 静水圧効果 / 大変形 / 金型 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,密度が異なる2種類の材料(スギ,ウリン)に対して簡易金型を用いた鍛造加工実験を行い,鍛造加工時における静水圧状態が小型容器の成形性に及ぼす影響を調査した.また,高静水圧プレス金型の設計および製作を行った.主な実績は以下の通りである. (1) 鍛造加工時において,内部に空隙が多いスギ材と比べ,高密度なウリン材の場合に流動変形が生じやすい傾向を示した.スギの場合,圧密変形量は大きいものの,圧密完了後の流動変形が生じにくい. (2) プレス方向に対する木材の年輪方向によって,変形挙動は大きく変化した.繊維方向に圧縮する場合,繊維間の剥離が生じやすく,パンチが接触する部分のみが圧密され,高密度化しやすい.一方,半径方向に圧縮する場合,材料全体が圧密・高密度化しやすい傾向を示した.特に,加工初期から高密度なウリン材の場合,半径方向圧縮の場合において,高密度化からの流動変形が生じやすいことがわかった. (3) 形状が異なる種々のパンチを用いることによって,鍛造加工時における材料の静水圧状態を変化させた結果,静水圧が高いほど型の端部まで充填しやすく,成形品密度も向上した.一方で,型端部にて材料を十分に圧密するためには,金型・木材間の摩擦の低減も必要であることが示唆された. (4) 高静水圧プレス金型の設計を行った.本金型を用いることによって,下部から背圧を加えた状態で,木材をプレスし,変形させることができる.簡易金型を用いた鍛造加工実験の結果に基づき,必要となる背圧や,金型の表面処理の検討なども完了した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
簡易金型を用いた鍛造加工実験を行い,得られた成果に基づき,本研究で提案する工法を実現するための高静水圧プレス金型の設計が完了した.これは当初の計画通りの進捗である.また,木材の密度や異方性によって,鍛造加工時における変形特性が大きく変化するなど,興味深い成果が得られている.上記の理由により,「おおむね順調に進展している」と評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
高静水圧プレス金型を製作し,実験を行うことによって,提案工法の効果を検証する.作製した金型は,初年度に導入した万能試験機に設置して使用する予定である.万能試験機を用いることによって,加工時のストロークや荷重を精度良く制御・計測できる.成形品の評価にあたっては,当研究室にて保有するマイクロスコープや材料試験機を用いる.必要に応じて,協力機関の設備利用なども検討する.背圧を加えた際の木材の変形メカニズムの考察にあたって,空隙モデルを用いた有限要素法(FEM)および個別要素法(DEM)による連成解析の適用も検討する.
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Research Products
(3 results)