2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of processing technology using extremely high concentration cavitation energy by strong magnetic field
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22K04780
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
吉村 敏彦 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 教授 (20353310)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エネルギー集中キャビテーション / 機能性キャビテーション / 荷電気泡 / 強磁場 / ローレンツ力 / クーロン力 |
Outline of Annual Research Achievements |
強磁場を用い、究極まで気泡エネルギーを集中させた強磁場エネルギー集中型キャビテーション(MEI-MFC: Strong magnetic field energy intensive multifunction cavitation)加工技術を開発することができた。MEI-MFCでは、ウォータ-ジェットキャビテーション噴流の周辺から超音波を照射する。旋回流を発生させながらWJキャビテーション気泡を膨張させて、気泡の温度、圧力を高める。さらに、強磁場をノズル出口部に印加し、荷電気泡のローレンツ力による衝突により気泡数とエネルギー密度の爆発的増大を起こす。また波及効果として、0.1mm狭隘ノズルをMEI-MFC装置に装着し、レーザー光を照射し、磁場エネルギーにより活性化された荷電気泡内のイオンの価数をさらに増加させる多光子イオン化を生起させた。これにより、荷電気泡の衝突は更に活発化し、エネルギーが集中した気泡数が増加する。本技術の結果として、従来困難とされていた小型キャビテーション気泡によるピーニング効果を発生させることに成功した。 これらの究極の加工エネルギーを活用し、ジェットエンジンやガスタービンのタービン動翼に用いられるNi超合金のクリープの高強度化、高機能化を図る。さらに、ジェットエンジンに用いられるチタン合金薄肉化を目指した高強度化に取り組み、水素社会を見据えた水素ガスタービンの低コスト化、省エネを目指したピーニング高温組織制御技術を確立する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MEI-MFCの加工技術を確立することができた。本技術において、ネオジウム磁石の配置と磁束密度、加工度および発光強度(ソノルミネッセンス:気泡温度)の関係を明らかにした。ここで、水中では無く大気中で加工できる装置を作製した。したがって、現状の水中で使用しているEI-MFC装置の超音波振動子ではなく、大気中で使用可能な超音波振動子を導入した。大気中から7角形水槽に導入する低圧水の流量、流速を決めた。これにより、既存の0.8mmWJノズルを備えた走行機構を用いると加工領域は飛躍的に拡大する。 さらに、当初予定していなかった次の技術に挑戦した。0.1mm狭隘ノズルを上記7角形水槽に装着し、強磁場下のエネルギー集中機能性キャビテーションにレーザー光を照射し、磁場エネルギーにより活性化された荷電気泡にレーザーエネルギー(LMEI-MFC)を注入し、気泡内のイオンの価数を増加させる多光子イオン化を生起させた。これらの効果により、荷電気泡の衝突は更に活発化し、エネルギーが集中した気泡数が増加する。従来困難とされていた小型キャビテーション気泡によるピーニング効果を発生させることに成功した。微小気泡の崩壊のため、表面粗さを抑制しながら圧縮残留応力を付与できる新しい精密ピーニング技術となる。 以上のことより、当初の計画に対して予想以上に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に開発したMEI-MFC及びLMEI-MFC技術を、高温酸化環境にさらされるジェットエンジンおよびガスタービンの主として初段動翼に使用されるNi基超合金単結晶材 (SC610-SC)と2段動翼に使用されるNi基超合金柱状晶CM186LC -DSの表面の高機能化を検討する。 MEI-MFCやLMEI-MFC加工が、EI-MFCよりも付与される1) 圧縮残留応力、2) 表面亀裂の発生防止、3) 表面硬度、4) 耐食性、5) 摩擦係数の点で優れることを確認する。 LMEI-MFC加工によりTi-6Al-4V合金(α+β相)、圧縮残留応力の向上を図るとともに、最表面からβ変態点以下の温度域(α+β域)でLMEI-MFCにより鍛造し、α+β組織を評価する。その後、LMEI-MFC 加工により430-650℃程度まで再度温度を上げ、一定時間保持してピーニング時効処理を行って微細なα相が析出させて高強度化を図る。これらの処理によりピーニング鍛造領域の厚さを増加させる加工条件を確立する。
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Causes of Carryover |
計画通り、大気中で作動する超音波振動子(本多電子(株)、WSC28 Standard発振器、WSC28 1本仕様特注振動板、寸法:口100mm)を1375,000円で購入した。初年度予算が1400,000円であり、25,000円の差額が発生したが、次年度の研究に活用するため繰越金とした。
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