2022 Fiscal Year Research-status Report
オゾン処理と過飽和操作の工夫の組み合わせは結晶特性の制御と作り分けに有効か?
Project/Area Number |
22K04810
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
工藤 翔慈 千葉工業大学, 工学部, 助教 (50735008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 洋平 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80749268)
工藤 まゆみ 群馬工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70747708)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 結晶形状の変化 / オゾン溶解速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、晶析操作で得られる結晶粒子群の結晶多形、形状、粒径分布等の特性について、過飽和操作と溶液のオゾン処理による第三成分の種類や濃度(以下、第三成分プロファイルと呼ぶ)を組み合わせてその特性の制御する新規手法の提案を試みる。対象はモデル系として、グリシンの水溶液からの冷却晶析として、第三成分存在下での変調操作等の過飽和操作の効果、過飽和操作やオゾン処理操作を組み合わせた際の結晶粒子群の特性の変化の機構を明らかにしながら、得られる結晶粒子群の特性を幅広くつくり分けられる結晶粒子群特性の制御手法の提案を試みる。 本年度は、晶析操作の冷却条件(変調の有無)とオゾン添加条件(添加タイミングと添加量)を組み合わせた数種類の条件で結晶粒子群の特性への効果を確認した。 結晶粒子群の形状が変化しやすいことが分かった。また、溶液温度を変更した際のオゾンの溶解速度の違いを調べた。2種類の溶液温度にて、他の設定条件は変更せずにそれぞれオゾン添加したところ、溶質が溶けていない溶媒である純水へのオゾン溶解速度は、温度が低い条件の方が速いことが分かった。一方で、オゾン処理をして晶析操作を行った後の溶液のUVスペクトルの測定結果からは、温度が高い方が多くの第三成分が生成している可能性が示された。 第三成分の種類・濃度の方法を試みた。オゾン処理後の溶液から溶媒を蒸発させるとともに未反応の溶質成分を析出させて第三成分を濃縮する方法が有効である可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の所属機関の異動があり、最初から研究環境を整える必要があり、計画当初通りの研究設備ならびに体制で実験データの取得等の研究活動を始めることができずに研究遂行が計画よりも遅くなった。 また、研究活動開始後において、オゾンと結晶化成分との反応で生じる第三成分の分離および分析の方法に課題があることがわかり、これらの理由により進捗状況としては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目からは概ね本来計画していた研究設備、体制に近い状況でデータ取得等に臨めるので、系統的に実験条件を設定して、実験データの取得並びに解析を進める。オゾンと結晶化成分との反応で生じる第三成分の分離および分析は分担者との連携による促進を図る。
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Causes of Carryover |
1年度目は研究代表者が現所属機関に異動があり、研究環境を最初から整える必要があった。また、研究代表者が研究遂行に必要な実験室を利用できるようになるまでに4ヶ月程度かかり、年度当初の計画よりも研究遂行の開始が大幅に遅れた。結果として研究の遂行とともに必要が生じる消耗品等の購入の時期が遅くなり、次年度使用額が生じた。 今後の使用計画として、本来の研究体制が整ってきたので、上記理由により遅れていた分の物品購入を逐次行う。
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