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2023 Fiscal Year Research-status Report

2相系オルガノソルブ処理による藻類の成分分配と可溶化速度を制御した全量利用化

Research Project

Project/Area Number 22K04813
Research InstitutionObihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

Principal Investigator

吉川 琢也  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20713267)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 瀬野 修一郎  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 工業試験場, 主査 (10743411)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords化学工学 / 混合溶媒 / 藻類 / セルロース
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、生産性が高く有用成分(タンパク質、セルロース、食物繊維など)を多く含む藻類を対象に、水と有機溶媒の混合溶媒処理により、全量利用を志向した構成成分回収プロセスの基盤的技術を開発する。
褐藻類に対する水とブタノールを用いた混合溶媒処理では、食物繊維とタンパク質の可溶化が効率的に進行した。これは、混合溶媒における水相と細胞壁構成成分の溶解度パラメータが近しいことに起因すると示唆された。そこで、溶媒組成や溶媒種が、構成成分の可溶化に及ぼす影響について検討した。結果、水/ブタノール系では、ブタノールのみの場合と比較して可溶化率が向上し、他のアルコール系溶媒を用いた場合においても、水との混合溶媒とすることで可溶化が効率的に進行することが分かった。また、混合溶媒処理における可溶化機構を検証するため、窒素、リン等の構成元素の形態について分析を進めた。
従来、セルロースを樹脂中で分散させるためには、事前に解繊処理を行ってから樹脂と複合化する手法が広く行われているが、その場合、解繊前処理のコストを要する。そこで本研究では、樹脂とセルロースを直接し、セルロースの解繊と分散化を同時に行う複合化法の可能性を検討した。
混合溶媒処理により得られたセルロース含有固形分をポリ乳酸粉末と混合後、バッチミキサーで溶融混練を行い、物性評価を行った。結果、ベース樹脂(ポリ乳酸)と比較して、最大強度・弾性率ともに向上し、混練前に解繊処理を行わなくても樹脂補強材として活用可能であることが分かった。一方、比較として、未処理藻類に対し同様の混練法により試料を作製し評価を行うと、最大強度が低下した。これより、混合溶媒処理を行うことで、混練時におけるセルロースの解繊性あるいは分散性が向上したと考えらえる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

褐藻類を対する可溶化処理の溶媒を最適化するため、これまでの水/ブタノール系に加え、単一の溶媒系(水、ブタノール)、他の溶媒種(アルコール類)を用いた検討を進めるとともに、可溶化液に含まれる窒素、リン等の形態分析を行った。水/ブタノール系に加え、他のアルコール系の溶媒を用いた場合においても、水との混合溶媒とすることで、藻類構成成分の可溶化が促進されることが分かった。
また、水/ブタノール処理後に得られたセルロース含有固形分の樹脂との複合化において、固形分の解繊前処理を行わない直接混練法の検討を進めた。作製した複合材は、ベース樹脂(ポリ乳酸)と比較して、最大強度・弾性率ともに向上し、解繊前処理を行わなくても褐藻類由来固形分は樹脂補強材として活用可能であることが分かった。

Strategy for Future Research Activity

藻類の混合溶媒処理により、各成分の分配と可溶化速度を制御したプロセスの基盤技術を構築し、固体セルロースの用途開発を行う。種々の混合溶媒処理、可溶化成分の形態分析の結果を基に、処理条件を最適化し、本法による可溶化モデルを提案する。同処理により得られた固形分と樹脂との直接混練法について、引き続き精査するとともに、解繊前処理を伴う既往複合化法との比較を行う。さらに、混合溶媒処理および樹脂複合化の検討を、これまで対象としてきたモデル藻類(褐藻類)の他、雑海藻に展開する。

Causes of Carryover

学生配属の都合により実験補助員の従事がなかったが、代表者が賄うことで実施した。次年度は、実験補助員を活用して研究を推進する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 水熱/オルガノソルブ処理を用いたテングサからの有用成分回収2023

    • Author(s)
      小野田耀、湯浅小綾香、石丸裕也、岡雅史、沖村智、吉川琢也、中坂佑太、増田隆夫
    • Organizer
      化学工学会 第54回秋季大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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