2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel porous materials for direct separation from crude oil
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22K04828
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
亀島 欣一 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50251616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 俊介 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (90435826)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ゼオライト多孔体 / 原油分離 / 分解触媒 / 模擬原油 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では申請者が見出したゼオライトマクロ多孔体の作製方法を基盤に,造孔剤を利用した直管孔型の多孔体を作製し,得られた多孔体を利用した原油分離技術を確立することを目的として研究を進めてきた。当該年度は,テフロン容器内に造孔剤となる棒状物を封じた条件でのZSM5型ゼオライトのチューブ状多孔体について分離実験を進めた.エタノール水溶液の気相分離,および液相からの浸透気化分離を行った.その結果,気相分離では従来のZSM-5型バルク体には及ばないものの,エタノールを濃縮回収できるとこが見出された.一方,浸透気化法ではバルク体に亀裂が生じてしまい,分離性能を評価できなかった.これは,バルク体内部および外部に弱い部分が部分的に存在し,気相分離における差圧では保持されたものの,浸透気化の液相との接触では保持されなかったためと推察された. 前年度に引き続き,直管型の気孔をもつZSM-5型バルク体の作製条件を検討した.気孔の分布にムラがあるもののバルク体を得ることができた.しかしながら,チューブ状多孔体の場合と同様に材料強度の低いバルク体が得られ,分離実験に耐えうる試料は得られなかった. また,他のゼオライト種としてガラス廃棄物の表面にA型ゼオライトを形成させたバルク体を作製し,そのエタノール分離性能を評価した.ZSM5型のチューブ状多孔体に比べて気孔率が小さくガス透過性能は低いが,とくにアスピレーターレベルの低真空度の分離では高いエタノール分離性能を示し,透過濃度は90% 以上であった.このA型ゼオライトのバルク体は強度が高いことから,こちらを基材としたチューブ状多孔体についても検討を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
得られたZSM5型ゼオライトのチューブ状バルク体の強度が低いことから,分離性能の検討が十分に行えていないため,進捗状況を「やや遅れている」と判断した.サブミクロンから1mm程度の細孔を有するバルク体の形成は目処が立っており,トレードオフの関係ではあるが,気孔率と基質の真密度を制御することで,分離条件に対応できる強度に高められれば十分に遅れは取り戻せると考えられる.また,予想よりもエタノール分離性能が高かったA型ゼオライトについて検討を進めることで,最終年度の目標を達成できると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
造孔剤であるTPAOHの割合を制御することで基材強度が高いZSM5型ゼオライトのチューブ状バルク体,および直管孔型バルク体を作製し,エタノール水溶液の浸透気化分離に対応可能なバルク体を得る.併せて,A型ゼオライトについても同様の検討を進める.得られたバルク体に対して,重質成分にスクアレン,軽質成分にはヘキサンを用いた模擬原油に対して,浸透気化法による分離性能を評価する.模擬原油の結果をフィードバックし,適切なマクロ細孔サイズと細孔量を決定する. 次に,それぞれの系についてプロトン型,および希土類型に変換し,模擬原油の分離性能とともに重質成分の軽質成分への転換性能を調査しする. 以上の結果を踏まえ,ゼオライトバルク体を利用した原油の分離に関する展望を示し,研究を総括する.
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Causes of Carryover |
当該年度に分離実験用の試薬類を一定金額分購入する予定であったが,分離実験があまり進行しなかったため次年度の購入に変更した.そのために次年度使用額が生じた.翌年分の物品費に組み込んで必要な分離実験用の試薬類を購入する計画である.
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