2022 Fiscal Year Research-status Report
基質拡張が実現する芳香族炭化水素のバイオ生産:脂肪族炭化水素から芳香族炭化水素へ
Project/Area Number |
22K04836
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 勇樹 東京大学, 環境安全研究センター, 准教授 (90444059)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 芳香族炭化水素 / 進化分子工学 / 蛋白質工学 / センサー大腸菌 / ハイスループットスクリーニング / 基質改変 |
Outline of Annual Research Achievements |
石油の主成分は炭化水素であり、エネルギー資源として利用される脂肪族炭化水素と、化学工業原料として利用される芳香族炭化水素に分けられる。石油は有限資源であり、炭化水素のサステイナブルな資源開発は必要不可欠である。2010年にラン藻から軽油相当のアルカン(炭化水素)を合成する酵素が明らかとなり、遺伝子組み換え生物による脂肪族炭化水素のバイオ生産の道が拓かれた。一方で、芳香族炭化水素を生成する酵素は見つかっておらず、そのバイオ生産は未踏領域である。そこで本研究では、アルカン合成酵素の基質認識を改変し、芳香族炭化水素生成酵素を開発することを目的とした。 本年度は、培養しながら、芳香族炭化水素の生成活性を外部から非侵襲的に評価できるセンサー大腸菌の設計と構築を進めた。変異体集団の中から、芳香族炭化水素生成能を示す変異体の探索を行うが、活性種は少なく、またその活性は非常に低いことが予想されるため、当初予定していたセンサー大腸菌の評価法(活性=蛍光強度)だけでなく、大きなライブラリサイズな変異体集団でも迅速に評価できる新たなセンサー大腸菌の検討も開始した。変異体ライブラリの構築方法、寒天培地での迅速なセレクション方法の確立は目処がたった。 これとは別に、本研究立案の元となったアルカン合成酵素群の高活性化のこれまでの結果について、国際専門誌にて総説として発表した。また、白血病やがんに関わるタンパク質相互作用を標的とし、立体構造予測に基づいて、変異体ペプチドライブラリを構築することで、約10種程度の変異体ライブラリの中から、既存の阻害剤よりも阻害活性の高いペプチド阻害剤の創出に成功し、原著論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時には考慮していなかったことであるが、本年度4月に急遽独立することとなり、研究室を一から立ち上げることとなった。実験機器の移動、研究室内の電気・水道・間仕切り工事や研究環境の整備、予定外の実験機器の購入に多くの時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に入り、研究室の立ち上げの時間的・資金的目途がついたため、すぐに研究計画の遂行する。センサー大腸菌の構築に必要な遺伝子は人工合成遺伝子の受託合成により、また受託解析、受託合成が可能な作業は外注し、大幅な時間短縮を目指す。その他の実験材料はほぼすべてそろっていることから、実験スケジュールの挽回は十分に可能である。
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Causes of Carryover |
研究室の立ち上げに際し、研究環境の整備に時間を要したこと、必要スペックの中古機器が市場にないこともあり、購入時期が予定より遅れているため。購入予定機器の使用は本年度であるため、実験計画には影響はない。
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Research Products
(11 results)