2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of highly accurate genome editing tools aimed at creatinon of modality for gene therapy
Project/Area Number |
22K04837
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
迫野 昌文 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (50391959)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ゲノム編集 / TALEN |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAの一塩基の違いを高正確に認識可能なゲノム編集技術を開発することであり、安全性の高い遺伝子治療の実現を目標とする。近年、ゲノム中の特定の塩基配列を改変するゲノム編集技術を、遺伝子疾患の治療に適応する試みがなされている。生体内で直接ゲノム編集を行う場合、特定配列以外の遺伝子書き換えはガン化など安全上のリスクとなる。そのため、高正確なゲノム編集の実現は、安全性の飛躍的な向上につながる。本研究は、高正確なゲノム編集技術をもとに、正常細胞にはダメージを与えず、異常細胞の特定配列のみを編集する新しい低リスク型遺伝子治療手法を構築し、遺伝子治療の新規モダリティ創出を目指す。ゲノム編集ツールとして、DNA結合タンパク質Transcription activator-like effector (TALE)とDNA切断酵素を融合したTALENを用いる。我々は、TALE調製の際に、ターゲット配列と異なるミスマッチなDNA認識部位を組み込むことで、DNA-TALE間の会合定数を大きく変化させる“ミスマッチ法”を確立した。本手法は、TALEとDNA間のミスマッチの数による会合定数の変化を利用したものであり、申請者の独自技術となる。2年目はKRAS以外のターゲットとしてWRN配列を用いてミスマッチ法の優位性を評価した。結果より、KRAS配列と同様の連続ミスマッチ効果が示された。この結果は、ミスマッチ法が様々なターゲットに適応できることを強く示唆している。一方で、TALEの安定性がDNA存在下に置いてきわめて向上することも新たに見出した。この構造安定化がミスマッチ法に与える影響を今後評価していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KRAS以外のターゲット配列においても、ミスマッチ法の効果が示された。 手法の優位性を示すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)TALEの安定性に及ぼすDNAの影響に関する検討 (2)RVDとミスマッチ法の相関に関する検討 これらを実施していく
|
Causes of Carryover |
細胞培養のスケジュールが当初予定より遅れたため、一部消耗品(血清)購入の予定が次年度となったため助成金の残額が生じた。3年目は残額を血清の購入に充当し、予定通り実験を遂行する。
|