2022 Fiscal Year Research-status Report
First-principles design of spin conversion materials by nanostructure prediction
Project/Area Number |
22K04862
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石井 史之 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 教授 (20432122)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 第一原理電子状態計算 / 結晶構造探索 / スピン変換物質 / 熱電変換 / 光電変換 / 異常ホール効果 / 異常ネルンスト効果 / シフト電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は理論・計算科学的な手法によって電子のもつ磁気的自由度であるスピンの物質中における秩序状態(構造)を活かして, 熱エネルギーを電気エネルギーに変換したり,光エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換効率としての性能が高い物質,ナノマテリアルをデザインすることである。本研究では電子スピンの相対論効果やスピン秩序によって出現する物質内部の(仮想)磁場を活用した新しいエネルギー変換ナノマテリアルを, スーパーコンピュータを用いて自動計算・網羅計算手法によってデザインすることをめざしている。今年度の研究実績は主に次の2点である。(1) スピン軌道相互作用が強いビスマスを含む系で極性半導体として知られるBiTeIについて、第一原理計算手法と進化論的手法を用いた結晶構造探索手法によって大気圧下の準安定結晶構造を複数発見し、バンドギャップが0.86eVと大きなトポロジカル絶縁体相を発見した。(2)異常ホール効果および異常ネルンスト効果を効率的に計算する手法開発をおこない、成果をH. Sawahata, N. Yamaguchi, S. Minami, and F. Ishii, First-principles calculation of anomalous Hall and Nernst conductivity by local Berry phase, Phys. Rev. B, 107, 024404(2023)として出版した。この手法および、計算自動化スクリプトの作成によって、二次元強磁性体のハイスループット計算を実施した。約1000種の二次元物質について計算を実施し、Chern絶縁体および、大きな異常ネルンスト係数を示す物質を発見した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結晶構造予測によってバンドギャップの大きなトポロジカル絶縁体を発見した。ハイスループット計算も順調に実施されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
二次元物質に絞って結晶構造予測を実施し、新たな二次元物質、ファンデルワールス物質のスピン変換材料を探索する。
|
Causes of Carryover |
今年度は他の予算の関係で小型計算機の購入を見送った。また、旅費等の使用がなかったため、次年度使用額が生じた。次年度以降に、小型計算機の購入、成果発表のための旅費の使用を計画する。
|