2023 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of two-dimensional aromatic compounds using hydrogen and heated catalysts and their spin device applications
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22K04877
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
部家 彰 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (80418871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住友 弘二 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (30393747)
神田 一浩 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (20201452)
新部 正人 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 客員研究員(研究員) (10271199)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 2次元芳香族化合物 / 水素 / 加熱触媒体 / グラフェンナノリボン / 原子状水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基板近傍に設置した加熱金属触媒体(1400℃)と水素ガス(反応促進剤)を用いた新規化合物合成法のホットメッシュ堆積(Hot Mesh Deposition, HMD)法を発展させてグラフェンナノリボン(GNR)を創製することを目的としている。2022年度(1年目)は、ペンタセン(Pn)とジヒドロペンタセン(DHP)の供給源を2つに分け、PnとDHPの重合反応をより効率よく行うための装置改造を行った。2023年度(2年目)は、この装置改良によるPn/DHP存在比の制御を検討し、2つある供給源のPn量や2つある加熱触媒体(Wメッシュ)温度をパラメータにし、GNR合成を試みた。本手法で得られた炭素膜の紫外光領域での吸収ピーク位置はPnやDHPとは異なり、グラフェンの吸収ピーク位置に近く、X線光電子分光法で得られたC 1sスペクトルからも炭素平面分子の特徴であるsp2成分で構成されるカーボン膜が石英基板上に形成されていることが確認された。 また、GNR成膜中に膜や基板表面に原子状水素を供給しGNR成長表面での選択的エッチングで良質なGNRのみが残存できるかについても検討した。具体的には、原子状水素による酸化グラフェン(GO)、酸素含有フッ素コート膜、ポリグリセリンアクリルとの反応や金属酸化膜の表面洗浄を検討し、欠陥や官能基による反応性の違いなどを明らかにした。炭素六員環構造と原子状水素との反応性についても知見を得た。 さらに、本研究のもう一つの課題である窒素含有GNR合成についても並行して検討を行った。アンモニア(NH3)ガスを金属触媒で分解し生成したNラジカルをGOに照射し、炭素六員環構造へのN原子の取り込みの可能性が見出された。また、GOに軟X線照射することで適度に欠陥を導入することでN原子の取り込み量が増加することも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度(2年目)は、まず、PnとDHPの重合反応をより効率よく行うための装置を用いてGNRの収率を向上させた。また、酸素含有炭素膜に原子状水素を供給しGNR成長表面での選択的エッチングで良質なGNRのみが残存できる機構の検討を行った。さらに、窒素含有GNRの合成についても並行して検討を行った。このように研究はおおむね順調に進展しているが、今後、GNRの電気特性評価など多くの実験が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
GNRスピントランジスタを作製し、電荷・スピン移動機構を調べる。また、放射光軟X線吸収・発光測定および電気測定により、化合物の電子物性(バンドギャップ近傍の電子分布)を検討し、電荷・スピン移動機構との関係を明らかにする。 並行して、HMD法がテーラーメイド型2次元芳香族化合物合成法となりうるかを他の低分子材料を用いて検討する。
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Causes of Carryover |
次年度は最終年度となり、本研究で最適化された膜の評価を外部機関に依頼する予定である。分析費用が高額となるため、24万円を次年度に残すことにした。
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