2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating the positive role played by non-uniform temperature distribution around a gold nanoparticle under excitation of the plasmon band
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22K04884
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
橋本 修一 群馬工業高等専門学校, 専攻科, 特命教授 (70208445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山路 稔 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (20220361)
橋本 千尋 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90368465)
宇和田 貴之 城西大学, 理学部, 准教授 (30455448)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レーザー加熱 / 水滴 / ラマンスペクトル / 相転移 / 熱伝導 / 過冷却水 / 貴金属ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来、貴金属ナノ粒子の光熱変換の実験的研究がバルクスケールに限られていたため、マイクロスケールの限られた空間での熱伝導の距離依存性に関する実像が明らかでなかった点を克服することを目的とする。 このため、単一金ナノ粒子を内包する単一水滴を作製し、レーザー加熱による固相から液相への相転移を観測するための実験系の作製を行った。基板上に固定された水滴と空気中にレーザーで捕捉された水滴の両者を比較することをめざした。初年度において、水滴の温度コントロールを行うための顕微鏡用の冷却チャンバーを作製した。 本年度は、基板上の水滴を凍結した状態で近赤外レーザー光を集光照射し氷粒子の融解をラマンスペクトルおよび画像から観測することに成功した。これによって、従来バルクの氷では熱移動のため水の加熱が有効に行われないが、マイクロスケールの氷粒子の場合、氷/空気界面の熱伝導率の著しい低下のために界面での熱移動の速度が著しく阻害され氷が有効に加熱されるという仮説が実証された。この実験過程で、加熱により融解と気化が同時に起こることも観測した。 今後の課題としては、レーザー加熱ではなく金ナノ粒子を加熱することによりさらに効率のよい氷の加熱ができるか調べること、基板上の氷粒子だけでなく空中浮揚の氷粒子を用いて氷/空気界面での熱伝導をさらに抑えることが挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
凍結した水滴、すなわち、マイクロサイズの氷粒子のレーザー加熱により過冷却液体の観測に関して2回の学会発表および論文発表し、実績とすることができた。熱流体シミュレーションにより水滴をレーザー加熱した場合の実験条件での温度分布のシミュレーションをおこない、水の融解温度を超える温度となるというサポートデータも得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の途上で、氷マイクロ粒子から過冷却液体への相転移に加えてレーザー照射により氷内部に過冷却液体が生成し-10~-20℃において持続的に存在し続ける新規な現象を観測した。よって、これについて詳しく調べるとともに学会発表および論文発表を目指す。
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Causes of Carryover |
冷却実験に必要な液体窒素および窒素ガスの価格が本年度当初から1.5に上昇し、次年度実験継続が困難になると予想された。このため、次年度分として本年度節約した資金を充てる。
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