2022 Fiscal Year Research-status Report
医療・介護IoTデバイスのためのMEMS振動型エナジーハーベスタによる電力伝送
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22K04897
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤田 孝之 兵庫県立大学, 先端医療工学研究所, 教授 (50336830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前中 一介 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (70173721)
神田 健介 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (20446735)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エナジーハーベスタ / MEMS / 電力伝送 |
Outline of Annual Research Achievements |
外部からの与えられた交流磁界によって励振される振動型MEMSエナジーハーベスタの高性能化を図るものであるが,外部磁界による力の発生方向は,装着者(患者等)の姿勢に依存するため一義に規定できない。一方で振動型エナジーハーベスタは片持梁やバネ-マス振動機構を有する構造のため,励振加速度に対する発電方向を制限した設計が一般的である。このため本研究では,バネ構造の最適化により,無指向性の外部磁界によって単方向発電デバイスを動作させる無指向性振動型エナジーハーベスタを模索し,低周波磁界による励振をより高効率な高周波振動に変換する周波数アップコンバート機構の実装を目指す。 本年度は,片持ち梁構造の圧電式エナジーハーベスタ(PZT薄膜10μm厚,1mm幅,3.3mm長の短冊が8直列の形状)の先端マスに4mm x 10mm x 2mmの直方体ネオジム磁石を固定し,外部から交流磁界で駆動するプロトタイプを作製した。駆動には空芯コイルを500mArmsを用い,伝送距離5cm,共振状態で100 マイクロW以上の電力伝送に成功した。開放電圧も3Vrms以上であり,十分に整流可能な範囲である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロトタイプでの電力伝送実験に成功しており概ね順調に進展している。 有限要素解析ソフトウェアによる磁界シミュレーションで,電力送信方式として空芯コイルおよび永久磁石を機械的に回転させ,強い交流磁界を生成する方式についても検討を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
伝送距離の長距離化にはより高いダイナミックレンジでの磁界変化が必要である。コイル駆動は最大電流の関係から限界があるため,永久磁石の回転装置での磁界シミュレーション,実装実験を行っていく。 さらに発電ハーベスタ機構についても,単純な片持はりではなく,支持バネを傾斜バネ形状にすることで全方向からの磁界変化を単方向の共振振動に変換する機構を有限要素シミュレーションから検討していく。
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Causes of Carryover |
実験の進捗と物品購入のタイミングが納期の事情で合わなかったが,次年度は使用計画通りに使用するよう務める。
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