in-situ one step processの構築とCO2還元機構の解明

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 22K04921
• Research Institution: Nagaoka University of Technology
• Principal Investigator: 船津 麻美 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (00758956)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松嶋 茂憲 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 教授 (80229476)
• Project Period (FY): 2022-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: ナノシート / in-situ / CO2還元 / 銅

Outline of Annual Research Achievements

二酸化炭素の資源化は、脱化石資源や地球温暖化の観点から、重要な研究開発テーマの１つとして考えられ、二酸化炭素の還元反応に関する研究が進められている。中でも金属銅は、二酸化炭素を炭化水素に還元できる唯一の金属であるが、その生成物の選択性が低いという課題がある。
本研究では、銅ベースの材料によるに二酸化炭素の電気化学還元反応における生成物の選択性を高めることを目的とし、銅ベースナノマテリアルの合成時の課題である銅の酸化されやすい特性を解決することを目標に合成から評価まで同じ場での実験系の構築を目指し、真のCuベース材料の設計効果の検証を目指している。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

まずCuベースのナノマテリアルの合成のために、①成膜化、②条件検討、③AFM内環境構築という流れで進めて行く予定で現在、検討を進めている。
2022年は、最終的にAFM内での反応の場を作り上げるために、まず通常型の電気化学測定装置（大きな形態の材料環境下）での検討に適した材料系で合成の場と、求められる材料の因子の抽出し材料の合成条件を導く。各種材料と電気化学測定環境を組合せた通常型での実験系の構築を進めてきた。
そのために、Cuベースのナノマテリアルの基幹材料となる水酸化銅系ナノシートを合成しこれを極薄膜電極、厚膜電極等の電極化に着手しこれに成功した。
更に、これらの電極を用い、通常環境下での電気化学測定系での応答も確認できており、材料系については予定通りの進捗を確認している。
また、研究分担者である北九州工業高等専門学校の松嶋教授とは、2022年度は、第一原理計算プログラムを利用して基幹材料である水酸化銅ナノシートのキャラクタリゼーションに繋がる基礎的な計算等について理解を深め、この点についても予定通りの進捗である。
一方、電気化学AFM内での実験環境構築については、オリジナルセルの設計等について調査及び実験を進めているが、この点において計画より少し遅れており設備の追加等に遅れが生じているため、区分としてはやや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

2023年度は、通常型での実験系においては、2022年にできた薄膜-、極薄薄膜-、厚膜-電極を用いCO2還元能についての状況の確認を進める。また更に電極系には幅を広げこれまではの電極作製方法だけではなく、粒形サイズ、酸化状態の変更、銅以外のものを利用した複合系でCO2の還元能への影響を確認する。
一方、AFM下での測定系については、これまでの遅れを取り戻すべく更なる時間と実験計画を詰め進めて行く予定である。

Causes of Carryover

2022年度に予定していた電気化学系の構築について、検証について遅れが生じているため電気化学系の装置導入までつなげることが出来なかった。研究開始当初はAFM系での電気化学用として観察部（STM系セル）の導入を考えていた。しかしながら、この研究を実際に計進めていく中で、STM系セルよりも、電気化学系（アウトプットの方）装置の方を追加する必要性を感じてきた。よって、もう少し検証を深めた上で導入装置を見極めたいと考え、装置導入の予定を遅らせることにした。そのために使用額に差が生じた。しかしながら、材料等についてはおおよそ出来上がってきたため、2023年度内にはこの装置導入を達成し計画の遅れを取り戻していきたいと考えている。