2022 Fiscal Year Research-status Report
原子力発電プラント構造物の放射化計算のための革新的超高速計算フレームワーク
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22K04979
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 豪 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50421524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中性子輸送 / 決定論手法 / 多群断面積 / 連続エネルギーモンテカルロ |
Outline of Annual Research Achievements |
原子力発電プラントの中性子輸送計算のためのベンチマーク問題として、体系を構成する構造物を均質に扱った1次元球体系問題を作成するとともに、その参照解を連続エネルギーモンテカルロコードにより得た。 整備したベンチマーク問題を対象として、決定論手法に基づく中性子輸送計算の精度検証を行った。通常の多群ライブラリを用いて媒質の実効断面積を計算する方法に加えて、多群ライブラリ・フリーの計算スキーム(ACE-FRENDY-CBZシーケンス)をFRENDYコード及びCBZコードを用いて構築した。その結果、ACE-FRENDY-CBZシーケンスにより媒質の実効断面積を計算することで、同一媒質に含まれる核種間の共鳴干渉効果を精度良く考慮することが出来、中性子束の空間・エネルギー分布を、従来の多群ライブラリに基づく方法と比較して、より高精度に計算できることを明らかにした。また、2,000エネルギー群程度の詳細な群構造を採用することにより、全ての空間領域・エネルギー領域について、5%以内で中性子束の参照解を再現可能であることを示した。また、空間・角度に関する離散化について検討を行い、適切な条件を見出した。 研究計画の時点では、連続エネルギー相当のエネルギー解像度に基づく計算が必要と考えていたが、以上の検討により、体系を構成する構造物を均質に扱ったモデルに対しては、連続エネルギー相当の計算手法は不要であり、2,000エネルギー群程度で実用上十分な精度が得られることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した実施予定(ベンチマーク問題の作成、参照解の取得、多群ライブラリ・フリーの計算スキームの構築と検証、計算条件の最適化)を全て完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
均質領域・1次元球体系モデルに対して、100エネルギー群程度の粗いエネルギー離散化条件のもとで高精度の解を得る手法の構築を図る。具体的には、空間(位置)依存となるエネルギー平均断面積計算のためのモデルを開発する。また、エネルギー縮約に伴って生じる全反応断面積の角度依存性の取扱い手法に関する検討も実施する。これらを踏まえて、より現実に即したモデルとして二次元円筒モデルを構築し、2,000群程度の詳細計算、100群程度の簡易計算で、それぞれ要求を満足する計算精度が得られることを検証する。 以上では「体系を構成する構造物を均質に扱った場合」を想定しているが、構造物の詳細な非均質構造を考慮した場合には、ここで得られた知見をそのまま反映することが出来ない可能性がある。そこで、微細な非均質構造を局所的に有するモデルを新たに作成し、連続エネルギー計算の要・不要を明らかにする。 なお、少数群計算の際のエネルギー群縮約群構造の最適化も別途実施し、少数群計算スキームの高精度化も図る。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、短期支援員を雇用する予定であったが、候補としていた学生が多忙につき、雇用が出来なかったためである。 次年度使用額は、成果報告・情報収集のための旅費として充てる計画である。
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Research Products
(1 results)