2022 Fiscal Year Research-status Report
自動車走行サーベイによる道路周囲の放射性セシウム分布の可視化
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22K04983
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
後藤 淳 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (90370395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 政浩 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (80450310)
谷垣 実 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (90314294)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 福島第一原子力発電所事故 / 放射性セシウム / 自動車走行サーベイ |
Outline of Annual Research Achievements |
帰還困難区域の除染の効率化と安全性向上及び、自動車走行サーベイデータ高度利用に資するために、“指向性がある自動車走行サーベイシステムASURA”で得られる調査データを機械学習モデルで解析することで道路周辺放射性セシウム沈着量分布をメートルオーダーの高位置分解能で可視化する方法を開発している。開発している手法を用いることで、これまでにASURAを用いて調査し蓄積してきた調査データから帰還困難区域及びその周辺地域の道路表面及び道路周囲の放射性セシウム分布とその経時変化を明らかにすることが出来ると考えている。 本年度は、まずGeant4を用いた放射線モンテカルロシミュレーションにより、機械学習モデル用の学習データを作成した。学習データは、20 m×20 mの範囲に1m ×1 mのグリッドを設定し、1つのグリッド(自動車の左右10 m及び進行方向4 mの範囲のいずれか1グリッド)にCs-137の汚染(100 k ~ 1 MBq/m2)がある時に、時速4kmでASURAを搭載した自動車が移動しながら測定することを仮定して作成した。なお、自然放射線によるバックグランド計数については、実測で求めた値を基に乱数で決めた値を各出力に加えることで考慮した。 機械学習は、Sony製Neural Network Consoleを実施し、今回の条件下では道路中心から左右5 mの範囲については95%の正答率で汚染の位置の特定が可能であることを確認した。 また、ASURA高感度化のために従来より大型の検出器(浜松ホトニクス製C12137-10)を購入し性能試験を行うと共に、大熊町や国道6号線などでの調査を実施しデータを蓄積した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーションによる学習データ及び機械学習モデルの作成などデータ解析法開発、高感度化のための大型検出器の性能試験、現地調査によるデータの蓄積など予定した実施項目が概ね順調に達成することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
データ解析法開発については、より現実的な学習データの作成及びそれを用いた機械学習モデルの学習を実施する。ASURAの高感度化については、購入した大型検出器を実際に現地調査時に稼働させて性能試験を行う。福島での現地調査を継続して実施し、データを蓄積する。
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Causes of Carryover |
当該年度に複数台の大型検出器を購入予定であったが、まず1台購入して性能試験を実施した。残りの大型検出器は次年度以降に購入予定である。
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