2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K04994
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
横山 啓一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究嘱託 (60354990)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 哲弘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (20373235)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | テラヘルツ波 / 同位体分離 / フラーレン |
Outline of Annual Research Achievements |
光反応の実証研究では同位体選択的な回転分布移動の実証に向けてテラヘルツ波発生照射システムの構築を目指している。京都大学ナノハブ拠点のCr:Forsteriteフェムト秒レーサーシステムを利用して有機結晶によるテラヘルツ波発生照射系を整備しているが、今年度は、波形計測の際に問題となる高強度励起光による有機結晶の屈折率変化の影響を調べた。さらに検討を重ねる必要があると思われる。 回収原理の実証研究では、フラーレンによるCsI/Cs分別回収の設計に重要な基礎的知見を得るため、Cs原子あるいはCsI分子を吸着・吸蔵したフラーレンを加熱した時の拡散挙動を調べた。具体的には、フラーレン薄膜上に形成されたCs/CsI蒸着パターンのアニーリング挙動を高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーにおいて光電子顕微鏡(PEEM)により観察した。形状変化及び光電子収量変化から200ー300℃で拡散が顕著になることがわかった。今後さらに詳しい解析を試みる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光反応の実証研究においては、テラヘルツ波電場強度の評価技術は基礎的に重要な技術であり十分な検討が必要である。回転分布測定系の構築に至っていないが、それに向けて前進していると考える。また、回収原理の実証研究では、回収反応のデザインに必要な現象理解のための基礎研究を継続した。これらのことから回収反応系の設計に向け前進しているということができ、進捗状況としては、おおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本原理の実証研究では、回転分布測定系の構築を目指してテラヘルツ波発生・照射系の整備を進める。回収反応の実証研究では反応系の設計に必要な基礎的知見を集積するためにPEEMによるフラーレン薄膜上のCs/CsIの挙動の観察を継続する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:高エネルギー加速器研究機構での実験を目的とした長期出張を年度末に実施した。これに必要な旅費を確保するため、次年度使用額が生じるように計画的に執行した。 使用計画:次年度使用額と次年度分研究費を合わせて、実験や出張に係る費用として使用する。
|
Research Products
(2 results)