2023 Fiscal Year Research-status Report
Desorption of CO2 from amine solutions at low temperature using difference of adsorption rate and desorption rate for CO2 under ultrasound irradiation
Project/Area Number |
22K04997
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大川 浩一 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (00375221)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / 脱離 / 超音波 / アミン / CCS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は二酸化炭素(CO2)を吸収したアミン水溶液に超音波を照射することで、低温にてCO2を脱離することを目的とした研究である。前年度は、CO2を圧入(0.1- 0.5MPa, 17h, 20-25℃)した後のトリエタノールアミン(TEA)水溶液に、超音波を照射(28kHz)することで、溶存二酸化炭素(CO2(aq))の脱離が可能であることを明らかにした。本年度は、超音波の出力(溶液内に伝わるエネルギー)と脱離量の関係を調べた。また、5.0MのTEA水溶液 (200mL)に対してCO2を圧入(0.5MPa, 18h, 20-25℃)した後、超音波照射(28kHz, 200W)を20℃で60分行ったところ脱離率は62%と高い値を示した。ただし、照射40分以降は大きな脱離率変化がなく、これは照射により溶液中のCO2(aq)量が減少したことが一因と考えた。CO2を加圧吸収した溶液からCO2を超音波で脱離した後の、溶液中のCO2量は、大気圧下でTEA水溶液にCO2を流入し吸収平衡になったときの値よりも大きな値であったため、時間をかければさらにCO2が脱離すると考えられる。より短時間でCO2を脱離するためにCO2を大気圧下で流入(100mL/min)しながら超音波を照射することを検討した。超音波の音圧変化により流入したCO2気泡が膨張する際に周りの溶存CO2を取り込む効果、およびCO2気泡が収縮する際に気泡内が高温となり気泡付近のCO2溶解度が低下する効果が期待できる。予備実験として、第1級アミン水溶液に大気圧下で超音波照射をしながらCO2を流入した場合と、超音波照射せずにCO2を流入した場合の吸収量を比較したが、大きな変化は確認できなかった。第3級アミンでは、超音波を使用すると吸収量は低下した。これは、超音波照射下における第3級アミンのCO2吸脱着速度差が大きいためと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二酸化炭素ガスをアミン水溶液に流入しながら超音波を照射するにあたって、どのくらいの流入量にすることで結果に違いが見えるのかを検討するのに時間がかかっている。また超音波照射下におけるCO2流入量の制御が難しく少し時間がかかっている。実験結果は徐々に集まってきているので、これらを解析しながら、研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
CO2を第3級アミン水溶液へ加圧吸収させた後に、超音波照射によりCO2(aq)を脱離し、その後脱離が平衡に近づいたところで、CO2を流入しながら超音波照射することで、室温において高い脱離率を得ることを検討する。CO2を流入しながら超音波を照射する効果として、超音波の音圧変化で流入したCO2気泡が膨張収縮し、CO2気泡が膨張する際に周囲の溶存CO2を取り込む効果、およびCO2気泡が収縮する際に気泡内が高温となり気泡付近のCO2溶解度が低下する効果が期待できる。また、第3級アミンのCO2の吸収速度と脱離速度に差を与えることができる。これら効果について、第1級アミン水溶液、第2級アミン水溶液と第3級アミン水溶液を比較することで明らかにする。
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Causes of Carryover |
超音波照射下におけるCO2流入量の設定等がなかなか上手く決まらず、最終装置の組み上げができなかった。そのため、マスフローコントローラーなどの選定ができず、次年度使用額が生じた。
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