2022 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ水力発電の実用化に向けた高効率開放型クロスフロー水車の最適形状研究
Project/Area Number |
22K05000
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
藤沢 延行 信州大学, 工学部, 特任教授 (20165369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 貴幸 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50554284)
飯尾 昭一郎 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (80377647)
内山 知実 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (90193911)
片山 雄介 九州大学, 工学研究院, 助教 (20778815)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 水力発電 / クロスフロー水車 / 効率 / 最適化 / 形状設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、開放型クロスフロー水車の高効率化を数値解析と実験の両面から達成することである。研究課題としては、数値解析法の開発、羽根枚数の検討、羽根形状等の最適化、ガイド壁を用いた効率化等が考えられる。本年度は、このうち、数値解析法の基礎として、クロスフロー水車周りの流れ場の数値解析法としてVOF(Volume of Fluid)法と粒子法のどちらの解析手法が適当かを評価することから研究を開始した。まず、VOF法による解析結果は、既存の実験結果と比較的良好な一致を見たが、粒子法による結果は、実験結果を再現するまでは至らなかった。特に、粒子法では、羽根枚数を変えた計算でも実験結果を定性的にも再現できないという結果が得られたため、両計算法の詳しいベンチマークテストを行うまでもない状況であった。一方、VOF法による解析上の問題であった解析時間の課題は、時間ステップの最適化等の手法によって、ある程度は解決に至った。このことから、計算時間についても粒子法の有用性は低くなり、今後の数値解析法としてVOF法を用いることが妥当という結論が得られた。他方、過去の研究では、羽根枚数についての検討が行われていないため、羽根枚数の異なる4種のクロスフロー水車の製作と性能実験に半年前倒しに着手することにした。現時点では、その最適羽根枚数についての結論までは得られていないが、ある程度の実験結果は得られた。さらに、今後の実験の進展ならびにVOF法による数値解析を進めることで、より詳細な羽根枚数の影響についての新たな知見が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したVOF法と粒子法による解析結果の詳細な比較までは至らなかったが、どちらの方法が有効かという結論は得られた。一方、2年目に予定していた羽根枚数の実験を半年前倒しに進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度前半には、羽根枚数の最適化実験を完了する予定であるが、その最適値は閉鎖型クロスフロー水車の場合と相違する結果が見込まれるため、興味深い。続いて、そのメカニズムを数値解析によって明らかにする予定である。また、羽根形状の最適化についての過去の研究の総括と数値解析を進めることで、高効率クロスフロー水車の最適形状確立に向けた研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
令和8年度にレビュー論文のオープンアクセス費を計上していたが、レビュー論文の投稿を1年前倒しにし、全年度に渡って研究を円滑に進めるための措置である。
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Research Products
(1 results)