2023 Fiscal Year Research-status Report
太陽光由来メタン合成システムのシステム最適化および製造コスト削減
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22K05008
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
太田 靖之 宮崎大学, 工学部, 准教授 (10518450)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 集光型太陽電池 / P2Gシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
メタネーションに用いられる水素は、集光型太陽電池からの発電電力により製造される。集光型太陽電池は、変換効率は高いものの発電電力は天候に大きく影響することが問題点として挙げられる。その結果、メタネーションに供給される水素量も大きく変動する。本年度は、新たにシリコン太陽電池を設置し、シリコン太陽電池からの電力を用いて水素製造を行った。シリコン太陽電池は、集光型太陽電池と比べ変換効率は低下するものの、天候の変化による発電量変化は集光型太陽電池に比べ少なく、メタネーション装置に継続して水素を供給することができる。また、集光型太陽電池からシリコン太陽電池に置き換えることで、発電電力の電圧電流特性も変化する。したがって、太陽電池からの電力を水電解セルに供給するDCDCコンバータの改良を行った。上記改良により、継続して水素製造ができるとこを確認した。 一方で、水素製造・メタネーション装置を運用するうえで、水電解セルの劣化が全体のシステム効率に大きく影響する。したがって、劣化した水電解セルの回復手法について明らかにした。水素製造に用いられる固体高分子型水電解セルに人工的に製造した軟水を供給することで固体高分子型水電解セルの水素製造効率が低下することがわかっている。人為的に劣化させた固体高分子型水電解セルに、回復処理として純水の供給および硝酸処理を実施した。その結果、水素製造に必要な電圧は回復処理を行うことで低下することが明らかになった。また、硝酸処理を行うことで、電子から水素イオンへの変換効率(ファラデー効率)が回復することが明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
集光型太陽電池に加え、シリコン太陽電池から水素生成システムへ電力供給できるように、シリコン太陽電池の新設およびDCDCコンバータの改良を実施した。改良したシステムによる水素生成およびその水素を用いたメタメーションを実施している。 以上のように、計画通りに研究が遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
シリコン太陽電池の発電電力による水素生成およびメタン合成の屋外実験を行うことで、水素生成条件におけるメタン合成量およびメタン合成に必要な消費電力量を明らかにする。また、それらをもとに、蓄電池による電力供給を含めたメタネーションシステムの最適化設計を行う。 また、太陽光由来水素より合成したメタンの利活用を目的に、合成されたメタンの燃焼カロリーの測定、実際に燃焼実験を行うことで既存インフラ設備での供給可能性について検討する。
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Causes of Carryover |
論文投稿料および物品の購入によりおおむね計画通り支出したが、予定していた出張の中止および物品の価格変動により差額が生じた。生じた差額は必要な消耗品の購入により研究を加速させる。
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Research Products
(1 results)