2022 Fiscal Year Research-status Report
イミド錯体形成を鍵とする常圧二酸化炭素の触媒的分子変換システムの開発
Project/Area Number |
22K05132
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
森内 敏之 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60281119)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バナジウム / 二酸化炭素 / ジシリルアミン / 第二級アミン / 対称尿素誘導体 / 非対称尿素誘導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、クラーク数が高く、入手が容易なバナジウムや鉄触媒が繰り出すルイス酸性・酸素親和性を最大限に活用し、二酸化炭素の常圧下での触媒的活性化に基づく分子変換システムの創出を目的とする。先行研究において、オキソバナジウム(V)トリイソプロポキシド存在下、常圧の二酸化炭素と第一級アミンを原料に用いて、イミドバナジウム錯体を中間体として経由した尿素誘導体合成の触媒システムの開発に成功している。しかし、触媒として使用しているオキソバナジウム(V)トリイソプロポキシドは取り扱いが困難であることに加え、反応効率が中程度にとどまっていた。本年度は、安価かつ取り扱い容易なオキソバナジウム触媒存在下、基質にジシリルアミン用いた常圧の二酸化炭素を炭素源とする尿素誘導体合成法の開発を行った。 触媒として取り扱いが容易なメタバナジン酸アンモニウムを用い、風船雰囲気下での二酸化炭素と種々の脂肪族のジシリルアミンの反応をDMA溶媒中で行ったところ、対応する対称尿素誘導体が良好な収率で生成することを見出した。キラルなジシリルアミンを基質に用いた場合、キラリティーを保持したまま対応する対称尿素誘導体が得られることを明らかにした。 さらに、ジシリルアミンとアミンの求核性の差に着目し、非対称尿素誘導体の触媒的合成に取り組んだ。触媒としてメタバナジン酸アンモニウムを用い、二酸化炭素雰囲気下、ジシリルアミンと第二級アミンの反応をDMA溶媒中で行ったところ、対応する非対称尿素誘導体が良好な収率で生成することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度、取り扱いが容易で安価なメタバナジン酸アンモニウムを触媒とする常圧二酸化炭素を炭素源とする対称尿素誘導体の触媒的合成に成功した。また、ジシリルアミンとアミンの求核性の差を利用することにより、非対称尿素誘導体の触媒的合成も可能にした。以上の点を鑑み、本研究課題は概ね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
非対称尿素誘導体の触媒的合成において、基質汎用性の検討や選択性向上に向けた条件検討を行う。さらに、クラーク数が高く、入手が容易な鉄触媒を用いた二酸化炭素の常圧下での触媒的活性化に基づく分子変換システムの創出にも取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:調達方法の工夫などにより、当初計画より物品費の節約ができたため次年度使用額が生じた。 使用計画:2022年度に開発した触媒システムの基質汎用性や選択性向上に向けた条件検討および鉄触媒を用いた常圧二酸化炭素を炭素源とする分子変換システム開発のための試薬や溶媒、生成物の確認用の重溶媒などの薬品経費として500,000円、反応基質の合成および触媒反応のためのシュレンク反応管などのガラス器具経費として270,339円を使用する予定である。また、成果発表のための国内旅費100,000円および外国旅費400,000円を使用する予定である。
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Research Products
(7 results)