2022 Fiscal Year Research-status Report
二核コバルト触媒による水素分子の活性化と窒素分子還元反応への応用
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22K05134
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
竹林 智司 沖縄科学技術大学院大学, サイエンステクノロジーグループ, サイエンス・テクノロジーアソシエイト (10609283)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コバルト / NHC配位子 / ホモリシス / 核磁気分光法 / 二核錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は二核コバルト錯体の合成とその単核錯体との平衡反応に関する研究を行った。その合成においては、種々の置換基を有するN-ヘテロサイクリックカルベン(NHC)配位子によるCo2(CO)8中のCO配位子の置換反応が高収率で高選択的に進行し、二核コバルト錯体[Co(NHC)(CO)3]2を生成することを見出した。 この二核コバルト錯体は固体状態では二核錯体として存在するが、溶液中ではコバルトーコバルト結合のホモリシスによってその単核錯体と平衡状態にあるということを明らかにし、核磁気共鳴分光法を用いて世界で初めて可逆な化学結合のホモリシスの直接的な観察に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り二核コバルト錯体の合成に成功し、その反応性の研究も順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は合成した二核コバルト錯体の水素との反応性の研究を進めると共に、その触媒反応への応用研究も行う。
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Causes of Carryover |
合成した化合物の物性研究に多くの時間を費やしたため、その合成に関わる経緯費が少なくなった。 また、今年度は別研究課題の発表をより多く行ったため、本助成金での旅費の使用が無かった。 今年度は本研究課題に関する国際・国内学会発表を多く予定しているため、そこに本助成金を使用する予定である。
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