2023 Fiscal Year Research-status Report
二核コバルト触媒による水素分子の活性化と窒素分子還元反応への応用
Project/Area Number |
22K05134
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
竹林 智司 沖縄科学技術大学院大学, サイエンステクノロジーグループ, サイエンス・テクノロジーアソシエイト (10609283)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コバルト / NHC配位子 / 水素化 / 水素移動反応 / コバルトセン / メタロセン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究を進めていく過程で発見した21の形式価電子を有するコバルトセン化合物の合成と解析を論文として発表した。この結果はこれまで不可能と考えられていた19電子コバルトセン化合物への配位を可能にした最初の例であり、現在この結果を基にこれまでにない特性を持つメタロセン化合物の開発を行っている。 本研究課題の当初の目的である、コバルト化合物を用いた水素分子の活性化とその利用においては、水素分子の活性化によって得られたコバルトヒドリド錯体が水素移動反応において高い活性を示すことを見出し、それを用いた新規触媒反応の開発を行った。またこの研究過程で鉄化合物を用いても同様の反応が可能であることを見出し、現在その触媒反応への応用を模索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたコバルト化合物を用いた水素分子の活性化とそれを用いた新規触媒反応の開発に成功している。窒素分子の還元反応には至っていないが、窒素分子と同様に水素移動反応への反応性の低い有機分子の触媒的水素化反応に成功している。さらに鉄化合物が本研究で開発したコバルト触媒をしのぐ最も反応性の高い、水素移動反応触媒であることを見出している。また本研究の派生研究としてこれまでにない、18以上の形式価電子をもつ遷移金属化合物への配位を利用した新しい配位化学の概念を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.本年度明らかにしたコバルト化合物を用いた水素移動反応による水素化反応に関する研究をまとめ、その論文発表を行う。 2.鉄触媒を用いた水素移動反応による水素化反応を発展させることで、窒素分子の水素化還元反応を実現する。 3.本年度明らかにした他のメタロセン化合物を用いた新規配位化学の研究結果をまとめその論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は論文の作成とその修正にに多くの時間を要したため、使用額が予想より下回った。本年度はコバルト、鉄触媒を用いた研究とその発表を予定しているため、それに必要な物品費、旅費として次年度使用額を使用予定です。
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[Journal Article] Stable π-Extended Thio[7]helicene-Based Diradical with Predominant Through-Space Spin-Spin Coupling2024
Author(s)
Hao Wu, Hiroki Hanayama, Max Coehlo, Yanwei Gu, Ze-Hua Wu, Satoshi Takebayashi, Gerhard Jakob, Serhii Vasylevskyi, Dieter Schollmeyer, Mathias Klaui, Gregory Pieters, Martin Baumgarten, Klaus Mullen, Akimitsu Narita, Zijie Qiu
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 146
Pages: 7480-7486
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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