2022 Fiscal Year Research-status Report
環状多座アミン配位子を用いた遷移金属クラスターの合成
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22K05140
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
山本 浩二 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 助教 (70647198)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 環状アミン配位子 / 多核金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、環状アミン配位子を用いた多核金属クラスターのモデル錯体として、典型金属を用いた複核金属錯体の合成を行った。環状アミン配位子に2当量のアルキルアルミニウムを反応させることで、環状アミン配位子が2つのアルミニウム金属中心に配位した二核錯体が生成することを明らかにした。また、4当量のアルキルアルミニウムを反応させると、二核アルミニウム錯体の2つのアミド窒素部位それぞれがアルキルアルミニウム種の金属中心に配位することがわかった。これらの錯体の構造はX線構造解析によって同定しており、環状アミン配位子のアミン部位の内、4つのアミン部位が脱プロトン化してアミドとなり、その内の2つのアミド部位が金属中心を架橋することを明らかにした。また、各種NMR測定によって、溶液中の挙動についても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で示したとおり、目的の錯体について、いくつか単離することに成功した。また、これらの錯体の構造をX線結晶構造解析および各種NMR測定によって明らかにした。これらの成果は本研究目的である、クラスター構築法の確立および構造解明に対する重要な成果であり、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、さらに錯体合成を進め遷移金属を中心金属とする複核金属錯体の合成および構造解明に取り組む。多核遷移金属錯体の構造解析については、NMRによる構造解析が困難になることが予想されるため、MS測定やX線結晶構造解析、ESR測定に加えて、計算化学的手法を用いて構造解析に取り組む。
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Causes of Carryover |
一部の試薬等について納期がかかり、年度内の執行が出来なかったため。
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Research Products
(1 results)