2022 Fiscal Year Research-status Report
Control of microfluidic flow and development of continuous injection / separation / detection method using connecting tube as separation column
Project/Area Number |
22K05160
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塚越 一彦 同志社大学, 理工学部, 教授 (60227361)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 微小領域の流れ / 相分離混相流 / 分離・検出 / HPLC |
Outline of Annual Research Achievements |
相分離混相流を溶離液として利用するキャピラリークロマトグラフィーをtube radial distribution chromatography (TRDC)と呼ぶ。市販HPLCのシステムは,通常,プランジャーポンプ,サンプルインジェクター,分離用充填カラム,および(吸光)検出器から構成されている.この市販HPLCシステムにおいて,分離用充填カラムを取り外し,代わりにキャピラリーチューブを分離用カラムとして使用し,TRDC分析を行なった.このシステムをhigh-performance-TRDC(HP-TRDC)と呼ぶ.HP-TRDCは,市販HPLCシステムを使った汎用的なTRDC開発を目指す足掛かりとなる.HP-TRDCにおいても,層流条件下の速度分布から計算したinnerとouter相の平均線速度と両相への分配係数を使って溶出時間の理論値を算出した.クロマトグラム上の溶出時間と理論値の溶出時間に良い一致が見られた.このことは,著者らが提唱しているTRDCの分離メカニズムを支持した. TRDCでの分離カラムは,中空キャピラリーチューブであり,固定相を有しないことから,分離カラムとしての洗浄や初期化を必要とせず,連続分析が可能になる.しかしながら,これまでのHome-MadeのTRDCシステムでは,落差法を使って試料溶液を注入しており,連続注入は不可能であった.HP-TRDCは,試料溶液の注入にインジェクターを使用することから,Home-Made-TRDCでの落差注入法とは異なり,試料を連続注入することができる.これらの特徴を活かして,HP-TRDCを使っての連続試料注入の分離,検出法の研究を遂行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
high-performance-TRDC(HP-TRDC)は,試料溶液の注入にインジェクターを使用することから,Home-Made-TRDCでの落差注入法とは異なり,試料を連続注入することができる.これらの特徴を活かして,HP-TRDCを使っての連続試料注入の分離,検出法を開発した.すなわち、相分離混相流を溶離液として利用するHPLCシステムへの発展系が示唆された。具体的な方向性を示す。、二相分離混合溶液として水/アセトニトリル/酢酸エチル3成分混合溶液を、充填カラムを備えた市販HPLC システムの溶離液として使用した。相分離混相流が、HPLC に与える新たな分離モード(相分離モード)を提案することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
水/親水性/疎水性有機溶媒混合溶液のような二相分離混合溶液は、温度/圧力変化で相変化し、回分式容器内では上層と下層に相分離する。我々は、それを微小領域に送液しながら相変化させると、液-液界面を有する新たな混相流が得られることを見出した。この流れを相分離混相流という。これまで、キャピラリーチューブやマイクロチャネル内に相分離混相流の一つとして創出される環状流を用いて、クロマトグラフィー、抽出、混合、反応器の開発に取り組んできた。今回、二相分離混合溶液として水/アセトニトリル/酢酸エチル3成分混合溶液を、充填カラムを備えた市販HPLCシステムの溶離液として使用することを提案する.相分離混相流が、HPLCに与える新たな分離モード(相分離モード)について考察する。 市販HPLCシステムは、主に送液ポンプ(LC-20AT、島津製作所)、UV-VIS検出器(SPD-20A、島津製作所)、ODSカラム(Shim-pack HT-ODS、島津製作所)で構成する。カラム温度は20または5℃に維持した。溶離液には、水/アセトニトリル/酢酸エチル3成分混合溶液の種々の組成比を用いる。1-Naphthol(NA)(疎水性)および2,6-naphthalenedisulfonic acid(NDS)(親水性)混合試料(2μL)をモデル試料とし、注入し、カラムで分離した後、吸光検出する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍であることを意識し、海外活動を自粛した。半導体不足で、納期が定まらない物品の購入は見送った。
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Research Products
(2 results)