2022 Fiscal Year Research-status Report
Optical analysis of single aerosol liquid droplet properties using laser trapping-microspectroscopy
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22K05166
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三浦 篤志 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90379553)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 光ピンセット / エアロゾル液滴 / レーザー捕捉 / 顕微分光 / 単一液滴 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に液体物性はサイズに依存せずどのようなスケールの液体でも基本的に同じであるとみなされているが,我々は最近,微小な液滴であるエアロゾル液滴がバルクの液体とは全く異なる物性を示すことを強く示唆する結果を得た。これらの結果に基づき我々は,「空気中に浮遊しなにものにも接触していない液体」において「数~十数マイクロメートルまで微小化した液体では液滴粒径に依存して物性が変化」し,「この現象は液体の種類に依らずあらゆる液体で観測され得る」との仮説をたて本研究を進めている。本年度はレーザー捕捉した単一エアロゾル水滴粘度の液滴サイズ依存性の解明をめざし,以下の検討を行った。水滴中にローダミンB(RhB)を溶解させた母液をネブライザーでエアロゾル化し,温度および湿度を制御可能なカスタムメイド測定チャンバー中に導入し,単一水滴を安定にレーザー捕捉した。液滴中のRhBの蛍光の気液界面での全反射により生じるwhispering - gallery mode共鳴スペクトルから水滴サイズをnmの精度で決定するとともに,水滴中のRhBの時間分解蛍光測定を行い蛍光寿命および蛍光異方性から求められる回転緩和時間の測定に基づき水滴粘度を算出した。その結果,バルクの水の粘度(~1.00)に対し,半径4.3 マイクロメートル以下の単一水滴はバルクの水(~1.00 cP)に比べ高い粘度を示した。加えて,水滴サイズの減少と共に液体粘度が上昇すること,および,水滴粘度は液滴半径の逆数に比例することを明らかにした。今回見いだした液滴粘度のサイズ依存性は,水滴/空気界面に発生するラプラス圧および水滴表面層における水の構造の特異性に依るものと考察された。これらの結果をフルペーパーとしてまとめ,現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に検討予定であった単一水滴粘度のサイズ依存性を明らかにし,その研究成果を投稿中であり,当初の計画に沿って概ね順調に進展している。 加えて,次年度検討予定であった種々の液体の室温下におけるエアロゾル液滴粘度の粒径依存性に関しての初期検討も開始できている。いくつかの液体に関しては,次年度以降に検討予定であった蒸気圧制御下での液滴粒径制御実験や雰囲気制御実験等も行えており,研究全般に関して概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続き,検討予定の各液体(酢酸,p-トルイジン,m-クレゾール,フェノール等)に関して,室温下におけるエアロゾル液滴粘度の粒径依存性に関して,動的蛍光異方性測定や蛍光寿命測定,偏光ラマンスペクトル測定を行い粘度の粒径依存性の検討を行う。各種液体粘度の粒径依存性に関して総括したのち,申請書に記載の研究計画に従いこれらの液体から数種を選択して蛍光プローブ分子を含有する液滴を調製し,単一液滴における酸塩基性度の検討を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
研究遂行に必要な光学部品の購入をすすめていたが,該当部品の納期が次年度開始以降にずれ込むことが明らかとなったため未使用額が生じた。未使用額は2023年度に上記光学部品を購入する際に使用予定である。
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Research Products
(1 results)