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2022 Fiscal Year Research-status Report

振動分光学的水構造に基づく生体適合高分子の設計

Research Project

Project/Area Number 22K05169
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

源明 誠  富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (70334711)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords高分子 / 水構造 / 振動スペクトル
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,高分子の生体適合性を特徴付ける水構造を振動分光学的に明確にし,新たな生体適合高分子の開発指針を示すことを目的とする。ここでいう水構造とは、広く議論される水の凍結・融解のような漠然としたものではなく、分子レベルでの描像を指す。特に,生体温度下での水の振動スペクトルに立脚し,これまでの熱量測定により定義され,水構造を議論する際の標準語である 自由水・中間水・不凍水,に代わる新たな水構造の分類を目指す。
初年度は,目的を達成するための,オリジナルな特殊分光装置として,①異種高分子間で議論可能なモル吸光係数IRスペクトルを取得可能な赤外分光装置,②高分子ブラシ膜内部のみの測定が可能な高多重内部全反射近赤外分光装置,③実空間分解スペクトルの取得が可能な湿潤下適用型赤外多角入射分解分光装置,の装置開発に取り組んだ。
①では,生体適合材料として知られるポリ(2-メトキシエチルアクリレート)をモデル材料とし,含水率と高分子膜中の水の吸光係数の関係を評価した。②では,高分子ブラシの評価の前段階として,温調可能な高多重内部全反射系を組み,透過スペクトルとの比較から,シラノール表面のサブミクロン領域(メソスケール)の液体水の構造の評価を試みた。③では,湿潤下での計測系の前段階として,赤外多角入射分解分光装置を組み,ポリ-N-ドデシルアクリルアミドからなる高分子ナノシート(ラングミュアー-ブロジェット膜)の構造評価を試みた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究実績の概要内の①-③において,いずれも当初目指していた分光系を組み上げることができたことことから,概ね,順調に進んでいると思われる。ただし,目的を達成するのに足りる実験(得られる振動スペクトル)の再現性の検証が不十分であり,分光系の検証が必要であると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

研究実績の概要内の①では,生体適合材料ではない汎用高分子材料,具体的には,ポリメチルメタクリレート,ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレンを同様の評価を行い,生体適合性の有無を説明できるのかの評価を行う。②では,ブラシを構築する高分子の遊離水溶液および膨潤高分子ブラシの評価を行う。全反射条件の検討により,ブラシ内部,最外層の別を明確に評価する。③では,加湿下での測定を可能とする光学系の設計・構築を行う。

Causes of Carryover

当初計画し発注していた物品の納期ズレのため,年度内に納品されなかった。
本年度,継続発注(納品待ち)により,予算執行予定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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