2022 Fiscal Year Research-status Report
新規酵母の迅速な発酵特性解析のための複合分離機構型イオンクロマトグラフィーの開発
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22K05173
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小崎 大輔 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 講師 (60802535)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クロマトグラフィー / 糖化 / 解糖系 / クエン酸回路 / アルコール発酵 / 中心炭素代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、本研究で目標とする有機酸、エタノール、グルコース(単糖)に加え、2糖、3糖、可能であれば4糖も含めた分離を達成し、日本酒醸造におけるデンプンから多糖類への分解過程とそこからのエタノールの生産速度を把握しつつ、発酵速度管理による効率的な発酵管理が可能な分析法の確立を目指した。特に、2022年度は、サイズ排除分離に着目し、サイズ排除能(1000 M.W.及び5000-10000 M.W.)の異なる2種類のカラムを併用することにより、本研究の目的であった有機酸、エタノール、グルコース(単糖)に加え、2糖、3糖、4糖も含めた分離を達成した。特に、これまでの研究において、日本酒中に多く含まれることが知られている2糖、3糖及び4糖の分離も可能であることが明らかとなった。現在は、日本酒醸造過程において採取した試料の分析を実施しており、今後は醸造管理だけでなく、多糖から単糖、エタノールへの分解速度コントロールへ応用を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、3年を予定していた有機酸、エタノール、グルコース(単糖)に加え、2糖、3糖、可能であれば4糖も含めた分離が達成された。 また、上述の前段ではあるが、有機酸、エタノール及びグルコース(単糖)の分離に関する研究も論文としてJournal of the American Society of Brewing Chemistsに掲載されており、今後は、上述の研究結果に関しても論文化を目指す予定である。 以上のことから、当初の計画以上に研究が進展しているものと区分した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降は、現在、実施中の日本酒醸造過程試料の分析とデータの取得に伴う、多糖→単糖→エタノールへの変換速度解析を実施する。また、発酵条件を制御することにより、多糖→単糖→エタノールへの変換速度のコントロールを目指す予定である。 また、上述の解析手法の論文化についても2023年度に予定している。
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Causes of Carryover |
2022年度は、分析法の確立が順調に進行し、約18万円ほどの次年度使用額が生じたものの、概ね、想定通りの予算使用状況であるものと考えられる。 上記の次年度使用額についても、2023年度以降に実施予定の日本酒醸造過程試料の分析とデータの取得に伴う、多糖→単糖→エタノールへの変換速度解析において使用予定である。
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Research Products
(4 results)