2022 Fiscal Year Research-status Report
可逆的な斥力/引力支配場を活用した異種ゲル微粒子から成る配列体構築
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22K05208
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
湊 遥香 信州大学, 繊維学部, 研究員 (80878512)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高分子微粒子 / ゲル微粒子 / 刺激応答性 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子表面に存在する高分子鎖に由来する立体斥力を活用することで、異種ゲル微粒子間の凝集を抑制し、単一ゲル微粒子では成し得ない、複数のゲル微粒子から成る配列構造制御を目的に取り組んでいる。 初年度では、まず、異種ゲル微粒子を区別するための粒子合成法の確立に取り組んだ。特に、異なる油溶性蛍光染料を内包した固体ポリスチレン粒子をコアとし、シード沈殿重合法により、ハイドロゲルシェルを導入したコアシェルゲル微粒子を合成した。得られたコアシェルゲル微粒子は、シェルの架橋密度やシェル厚を変えることで粒子の柔らかさを調節でき、かつ、異種微粒子存在下でも水中で明確に区別可能であることを確認した。 この際、コアシェルゲル微粒子のシェル層の架橋密度やシェル厚の設計による粒子の柔らかさの違いが、気水界面への吸着速度に影響することを見出した。そこで、微粒子分散液滴の乾燥に伴う気水界面における自発的な吸着現象を利用することで、柔らかいコアシェルゲル微粒子が気水界面に先に吸着し、その後、隙間を埋めるように硬いコアシェルゲル微粒子が吸着する自己組織化現象により、ドット柄の様な配列構造を達成し、その論文をまとめあげた。 さらに最近では、顕微鏡を備え付けたlangmuir-blodgett法を活用する事で、langmuir装置のバリアの開閉に伴い、気水界面に吸着したゲル微粒子の充填密度を可逆的に自在調節できることを確認していることから、気水界面を活用した異種ゲル微粒子の配列構造制御に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としている単一ゲル微粒子では成し得ない異種ゲル微粒子の配列構造制御を達成しており、さらなる構造の多様化に向けた準備も整いつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲル微粒子の柔らかさに加え、静電引力/斥力相互作用を活用した配列構造制御に取り組むことで、より複雑な幾何学パターンを有する配列構造制御の達成を目指す。
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Causes of Carryover |
想定していた実験数よりも効率よく検討が進められたため、必要試薬量などが減少したことや疫病の蔓延により海外出張が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度では、国際学会に関わらず積極的な国内学会における研究成果の発信のための費用や、未実行の検討内容の実験費用やその調査費用などにあてることで、本研究目的の達成に向け推進していく。
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Research Products
(3 results)