2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of ultra-high density bottle-brush polymers by poly(substituted methylene) synthesis
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22K05219
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
下元 浩晃 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (40625597)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ボトルブラシポリマー / ジアゾカルボニル化合物 / ポリ(置換メチレン) / 金属カルベノイド / 機能性ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、我々の研究グループのコア技術である“ジアゾ酢酸エステルのC1重合によるポリ(置換メチレン)合成法”をグラフトポリマー合成へと応用することで、これまでにない構造を有するボトルブラシポリマーを開発することを目的としている。さらに、生成ポリマーの各種物性を詳細に調査することにより、ボトルブラシポリマーにおける構造と物性との関係に関する新たな知見を得るとともに、新規な高機能性ポリマー材料としての応用展開を探ることを目指すものである。 研究1年目は、ポリ(置換メチレン)を幹ポリマーとして有するボトルブラシポリマーの合成に関する研究を主に行った。研究2年目であった2023年度は、ポリ(置換メチレン)を枝ポリマーとして有するボトルブラシポリマーの合成に関する研究に着手した。合成戦略としては、grafting-through法を採用し、そのために必要な新規マクロモノマーを新たに設計・合成した。具体的には、マクロモノマーとして、ノルボルネン部位を末端に有するポリ(エトキシカルボニルメチレン)の合成に成功した。得られたマクロモノマーを用い、開環メタセシス重合(ROMP)を行うことで、ポリ(置換メチレン)を枝鎖とする新しいタイプのボトルブラシポリマーの合成に成功した。さらに、枝鎖のバリエーションとして、ノルボルネン部位を末端に有するポリ(ベンジルオキシカルボニルメチレン)の合成にも成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、新たに設計したマクロモノマーの合成に成功した。また、そのマクロモノマーの開環メタセシス重合により、ポリ(置換メチレン)を側鎖に有する新規なボトルブラシポリマーの合成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記に示したとおり、目的とするボトルブラシポリマーの合成に成功した。しかし、マクロモノマーの合成において、収率が低いという課題がある。そのため、収率改善を目指し、反応条件の検討を行う予定である。加えて、さまざまな枝鎖を有するボトルブラシポリマーを合成し、そのガラス転移温度を測定し、ポリマー鎖集積効果について調査・考察する予定である。 また、研究最終年度である2024年度は、2022年度および2023年度に合成に成功した手法を洗練させ、論文誌にまとめる準備を行う予定である。
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Causes of Carryover |
別の財源を利用したことによる使用額の変化によるものである。現時点で予定額と執行額が異なっているが、本助成研究の最終年度までには当初の計画通りの研究費の使用を予定している。
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