2022 Fiscal Year Research-status Report
Nanoscale hierarchical structure at polymer adhesion interface
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22K05247
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
犬束 学 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (70735852)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高分子 / 吸着層 / 接着 / 界面 / 中性子反射率法 / 和周波発生分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ガラスや金属などの無機固体と高分子との接着面における,官能基スケールの相互作用とナノスケールの吸着高分子鎖構造が,マクロスケールの接着強さにどのように紐づくかを階層的に理解し,高分子メルト接着剤やゴム状高分子の接着現象について学術的な基礎を確立することを目的として検討を進めた.具体的には,基板との相互作用の異なる2種類のモノマーから構成されるランダムコポリマー試料として,ポリビニルアルコール(PVA)およびこれを原料としてアセタール化率を制御したポリビニルブチラール(PVB),およびポリスチレン(PS)とポリ(2-ビニルピリジン)(P2VP)ランダムコポリマーを用いた.これらのコポリマーは,極性が低い成分と高い成分の2種類から構成されているため,この比率を変えることで,高分子と無機固体との相互作用を変化させることができると期待した.これらの高分子と,親水化処理した石英基板が接した界面における,吸着高分子鎖の構造を中性子反射率法により解析した.中性子反射率の解析から,基板との相互作用が弱い高分子では,緩く吸着したLoose鎖が,基板との相互作用が強い高分子では,強固に吸着したTight鎖が多く形成された構造を定量的に評価することができた.今後は,これらの吸着層構造解析の結果を,和周波発生分光に基づく界面分子振動スペクトルの解析により得られた界面分子配向状態および接着強さと比較することにより,官能基スケールの分子配向および相互作用がどのように吸着層構造に寄与し,ひいてはどのように接着強さに影響するかを明らかにする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたPVAおよびPVBを試料とした実験では、PVBの製膜性が悪く、中性子反射率法などに基づく界面構造の解析に支障があることが分かった。このため、製膜性が良い他の高分子試料を探索し、新たにPSとP2VPのランダムコポリマーを用いた実験を行うこととした。既に中性子反射率法により、PS-P2VPランダムコポリマーの構造解析に成功しており、今後はこの結果を接着強さなどと比較検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは中性子反射率法による構造解析に成功しているPS-P2VP試料について、和周波発生分光法による界面分子配向状態の解析、および引張せん断接着強さ試験による接着強さ評価の結果と比較し、分子スケール、ナノスケールの界面構造とマクロスケールの接着現象との紐づけを行う。また、PVA-PVB系についても、試料作製方法を再検討し中性子反射率法による構造解析を再度試みる他、重水素化試料の調製も検討する。
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Research Products
(3 results)