2023 Fiscal Year Research-status Report
黄色~赤色領域で強く発光する芳香族オリゴシラン結晶の開発
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22K05250
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野井 慶徳 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20342636)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ジシラン / 外部刺激応答性 / 銅錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はピリジン誘導体部位を持つ様々なジシラン架橋型分子を合成し、これを配位子として銅(I)錯体に誘導して、強輝度の長波長側の発光分子の開発を試みた。まず最初に無置換のピリジン基を両末端に有するテトラメチルジシラン化合物を合成し、CuIと錯形成させた。得られた錯体は室温では八核銅錯体構造、77Kでは直鎖ポリマー銅錯体構造に可逆に変化することが分かった。構造は単結晶及び粉末X回折、及び結晶状態のCP/MAS NMRによって決定した。その結果変化自体は100K付近で起こっていることが判明した。この構造変化に伴い、結晶状態での発光も50nm程度変化することが分かった。発光効率はおよそ0.7程度であった。 この実験結果を発展させ、メチルピリジル基を両末端に有するテトラメチルジシラン化合物を合成し、CuIと錯形成させた。まずは配位子とCuIを1:1の比率で反応させると単核錯体が形成した。この錯体では、温度可変での構造や光物性の変化は見られなかったが、メチル基の置換位置によって発光色が大きく変化することが分かった。これはメチル基の位置で形成する錯体の構造が異なることが単結晶X線構造解析によるものであることが明確となった。また、これらは水-THF中で凝集誘起発光を示し、水:THF=99:1の溶媒中でTHFと比較して最大で500倍発光強度が増大した。 現在、メチルピリジル基を両末端に有するテトラメチルジシラン化合物とCuIを1:2の比率で錯形成させた分子の検討をしている。この錯体は複核構造をしており、アセトニトリルの蒸気暴露によって発光が緑色から黄色(橙色)に変化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
銅錯体のメチル基の置換位置によって発光挙動がかなり変化する。この知見を元にしてより長波長側の発光材料を創製できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、様々なピリジン誘導体を合成しこれをジシラン架橋型配位子に誘導して錯形成させた分子を検討している。
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[Journal Article] Reversible Transition between Discrete and 1D Infinite Architectures: A Temperature-Responsive Cu(I) Complex with a Flexible Disilane-Bridged Bis(pyridine) Ligand2023
Author(s)
Zhao, Yongjin; Nakae, Toyotaka; Takeya, Satoshi; Hattori, Mineyuki; Saito, Daisuke; Kato, Masako; Ohmasa, Yoshinori; Sato, Shun; Yamamuro, Osamu; Galica, Tomasz; Nishibori, Eiji; Kobayashi, Shiori; Seki, Tomohiro; Yamada, Teppei; Yamanoi, Yoshinori
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Journal Title
Chem.Eur. J.
Volume: 29
Pages: e2022040
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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