2023 Fiscal Year Research-status Report
Potential-responsive Luminescence Switching Based on Layer Charge Control in 2D Multiple Oxides
Project/Area Number |
22K05264
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 拓哉 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (30793690)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 蛍光体 / 酸化物 / モリブデン酸 / 希土類 / ナノ結晶 / レドックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,研究代表者の独自技術である「結晶層修飾技法」(層状酸化物の層電荷を能動的に制御する手法)を駆使することで,電気化学的刺激がトリガとなって希土類イオンの蛍光能がON/OFFするフルオロエレクトロクロミック(FEC)材料の創出を目指す研究である。2年目となる本年度は,主に結晶母体となる層状希土類モリブデン酸AEu(MoO4)2 (A=Li-Cs, NH4)の水熱反応プロセスによる直接合成と,その酸化還元挙動の解明を行った。 適切な水熱合成プロセスを経ることで,種々の層状希土類モリブデン酸を合成することに成功した。これらの合成におけるアルカリ金属水酸化物/硝酸ユーロピウム原料比を変化させることで,それらの結晶形態が顕著に変化することを見出し,その蛍光特性も異なることが見いだされた。この蛍光特性と結晶形態の相関を,透過電子顕微鏡および電子線回折法からKEu(MoO4)2およびRbEu(MoO4)2における得られた粒子が,添加原料比に応じて異なる原子配列からなることが分かり,それに依存して異なる蛍光特性を示すことを見出した。また,アスコルビン酸による化学的酸化還元挙動を観察することができた。 また,蛍光スイッチングに用いるための電極作製プロセスの最適化はほぼ完了し,電気泳動法による蛍光体粒子堆積が最適であることが分かった。また,それに付随する電気化学セルもおおむね完成し,その基礎的電気化学特性評価,透過・反射率測定,蛍光特性評価法もおおむね確立している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目となる今年度においては,フルオロエレクトロクロミックに資する基礎的な知見を得ることに成功している。特に層状希土類モリブデン酸塩の良質な微粒子合成に成功し,その合成知見を十分に確立することができている。また,その化学的酸化還元挙動の理解も深まり,電気化学的蛍光スイッチングへの準備がほぼ整っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,電気化学に基づく能動的蛍光スイッチングの実現に向けて,主にモリブデン酸塩に焦点を絞り,その電極作製ならびにFECセルの作製,各種測定を進める。
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Causes of Carryover |
購入予定備品(消耗品)の納期がやや遅くなったため,わずかに余剰した。これは次年度早々に再度発注をかけなおsy。
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