2023 Fiscal Year Research-status Report
Studies on crystal film growth process of luminescent coordination compound onto hybrid interface
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22K05280
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
渡瀬 星児 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究部長 (60416336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 優志 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究員 (70783322)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 金属錯体 / 結晶膜 / 結晶成長制御 / 銅錯体 / シルセスキオキサン / ルミネッセンス / 配向制御 / ハイブリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、金属錯体の優れた機能を材料として活用するために、金属錯体結晶膜形成プロセスを開発することを目指している。とりわけ、申請者がこれまでに取り組んできたハイブリッド化技術を用いて核生成の起点を作り出し、これをきっかけに結晶成長させる手法により、湿式法による金属錯体結晶膜形成プロセスの開発を目指している。結晶状態で優れた機能を示す金属錯体は多数報告されているが、結晶膜を形成できる金属錯体は真空蒸着法などが適用できる一部のものに限られており、高分子に分散してキャストする方法などでは結晶性を失うことで結晶状態に特有の機能が損なわれるため、その優れた機能を十分に活用できていないものが多い。 令和5年度は、結晶化膜作製対象をd軌道錯体に拡張する目的で、ホスフィン配位子とピリジン配位子を有する混合配位子型ヨウ素架橋銅複核錯体を取り上げ、配位子設計による各種錯体の合成と結晶構造の確認、発光特性の評価を行った。その結果、結晶性の銅複核錯体6種類の合成に成功し、単結晶構造解析により1つの錯体についてシス-トランス異性体を含む7つの結晶構造を明らかにした。また、それらの錯体はホスフィン配位子とピリジン配位子に導入した置換基の電子的な効果によってそれぞれ430 ~ 520 nmの範囲に発光ピーク波長を有する発光スペクトルを与え、良好な発光を示すことを明らかとなり、結晶膜形成用のd軌道錯体として利用できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
d軌道錯体として、配位子設計した発光性銅錯体の合成を行うとともに、その結晶構造解析にも成功し、金属錯体結晶膜形成に利用できることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
ユーロピウム錯体、銅錯体を用いて、結晶膜形成プロセスにおいて成長を制御する因子を洗い出すことにより、精密な結晶制御ができる方法を探索する。また、錯体の単結晶と結晶膜の発光特性の違いなど、物性への影響などについて検討する。
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Causes of Carryover |
計画に対して学会等への現地参加が減ったこともあり、旅費相当分の近い余剰金が出たが、次年度の研究にかかる消耗品費、旅費、論文投稿費用などとして使用する。
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