2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of amino-acid coordination polymers as hydrogen evolution catalysts
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22K05286
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
桑村 直人 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 准教授 (80643791)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電気化学 / 含硫アミノ酸 / 異種金属イオン / 配位ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、触媒として働くアミノ酸金属錯体を、配位結合で連結して、種々の構造をもつ配位ポリマーを自在に合成し、触媒機能を調べることで、実用に耐えうるアミノ酸配位ポリマーの開発を行うことを目的として研究を進めている。 これまでの研究では、複数の金属イオンを組み合わせることで、水素発生触媒能が向上することを見出してきた。特に、3種類の金属イオンの組み合わせが最も触媒能力を向上させることを見出し、また組み合わせに応じて、配位ポリマーの構造の次元性を制御できることも明らかにした。 そこで、令和5年度は、4種類の金属イオンの組み合わせを検討するため、ペニシラミンを配位子として、新たな錯体配位子を設計し、それらを組み合わせた3種混合錯体配位子の構築をまず検討した。これまで補助配位子として用いてきた、アンミン配位子に代わり、よりかさ高いメチルアミン配位子を用いたところ、2種の錯体配位子が複合した、3種錯体配位子を選択的に合成できることを見出した。ここに、コバルト(II)イオンや亜鉛(II)イオンを反応させると、ペニシラミンのカルボキシ基によって連結した、4種類の金属イオンが混合した、新たな配位ポリマーを2つ単結晶として合成することに成功した。これらの分子構造は、単結晶X線構造解析によって確認し、それぞれ、1次元ジグザグ形と、3次元ネットワーク形の配位ポリマー構造をもつことを明らかにした。しかしながら、いずれも非常に密な構造をもっており、基質が入り込めるような隙間があまりない。実際に、水素発生触媒能を、ボルタンメトリーとガスクロマトグラフによって検討したところ、ほとんど触媒能力がなかった。 また薄膜化の検討のため、ピロールとの混合も検討した。現在のところ薄膜化には成功したが、配位ポリマーの複合化に課題が残っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の設計通り、4種類の金属イオンを含む新たなアミノ酸配位ポリマーの構築に成功した。またその分子構造を単結晶X線構造解析によって解明し、用いる連結金属イオンの種類に応じて、配位ポリマーの構造の次元性を制御できることが分かった。さらに、水素発生触媒機能の調査を行った。残念ながら活性はよくなかったが、結晶の密度が活性の有無に関わることが確認され、今後の配位ポリマーの設計指針を1つ見出した。また、薄膜化についても種々の検討を行い、酸化グラフェンとの混合が活性向上に資することを予備実験により確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
活性の向上のため、4種類の金属イオンを含む配位ポリマーの密度低下を狙う。具体的には連結金属イオンを、低配位性金属イオンや他の金属錯体に変更することを検討する。また、薄膜化の検討のため、酸化グラフェンや還元酸化グラフェンや各種金属酸化物との複合化を検討する。なお、予備実験において、ニッケル錯体の水素発生触媒機能が、酸化グラフェンとの組み合わせによって各段に活性を向上させることを、すでに見出している。
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Causes of Carryover |
全体の経費の0.06%にあたる510円の残額が生じた。全体として割引価格を受けており、当初予定よりわずかに浮いたためである。残額は次年度に消耗品費として充てる予定である。
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