2022 Fiscal Year Research-status Report
多元系前周期遷移金属酸化物の接合界面・構造制御および酸塩基触媒特性
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22K05287
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 孝 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (70361756)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 酸化ジルコニウム / 銅 / エタノール転換反応 / 酢酸エチル / 結晶相 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は水非共存下でのエタノール転換反応をさまざまなジルコニア担持銅触媒を用いて行い,生成物選択性を制御する因子について検討した.目的生成物はアセトアルデヒドを経由して生成する酢酸エチル,主要副生成物は炭素数4のアルデヒド/アルコール類(C4-al,ol)であり,その生成物比から選択性を評価した. はじめに15種類の金属酸化物,金属水酸化物,複合酸化物を用いた担持銅触媒にて活性試験を行ったところ,酸化ジルコニウムを用いた際に特に酢酸エチル収率が高くなる先行研究を再現する結果を得た(実験1).次に入手可能な酸化ジルコニウム,水酸化ジルコニウム,ジルコニア系複合酸化物を用いた活性試験を行い,酸化ジルコニウム単独,特に水酸化ジルコニウム担体を用いると酢酸エチル選択率が高くなることを確認した(実験2).以上の予備実験を経て,酸化ジルコニウム相の異なる担持銅触媒を同一ジルコニウム塩原料を用いて約30種類調製して活性試験を実施したところ,選択性の序列は非晶質>正方晶(立方晶)>単斜相であり,先行研究と異なることを確認した(実験3). 実験2において選択性が特に低かった触媒は固体強酸として機能することが予想される組成であった.このことから触媒表面に比較的強い酸点が存在するとC4-al,ol生成反応を促進して選択性が低下すること,単斜晶系触媒には比較的強い酸点が存在すること,より非晶質系触媒の酸強度は低いことを推察した.非晶質系触媒に硫酸イオンを添加すると選択性が低下,単斜晶系触媒にナトリウム塩を添加すると選択性が向上したことから,上記仮説の妥当性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は特に滞りなく触媒調製,活性試験を実施し,学会および学術誌上にて成果発表を行うことができた.特に同一原料から結晶相の異なる酸化ジルコニウム触媒を20種類以上調製し,体系的に確度の高い活性試験を実施することができた.我々が得た結果は先行研究と異なるものであったが試行実験回数および内容より信憑性が高いとの判断を受け,成果公表が可能となったのではと推察している.現在も継続して研究を進めていることから,本研究課題は概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究にて見出した選択性制御因子について,結晶相以外の要因の存否を,触媒調製条件,前処理,反応条件検討により探求する.また表面酸塩基性質の評価を試みる.
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Causes of Carryover |
2022年3月29日開催の学術会合への出席を当初から計画しており,その支出が4月以降となった.また継続した研究を実施するために3月にも試薬を発注し,支払いが4月となった.実際は3月31日までに試薬納入が完了し,出張報告書を提出している.その結果,次年度使用額は,支払いが4月に完了する予定である.
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Research Products
(5 results)