2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of rapid screening method to discover peptides capable of binding to target proteins using split intein
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22K05344
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 剛 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90345380)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インテイン / 標的結合ペプチド / ペプチドライブラリ / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
分割インテインは、2つのポリペプチド鎖をprotein trans-splicing (PTS) 反応で連結させる酵素様のタンパク質である。申請者は、分割インテインを用いた、リガンド-タタンパク質間相互作用検出系の開発を進めている。改変型分割インテインに、相互作用を調べたいペプチドとタンパク質を融合することで、ペプチド-タンパク質間の相互作用に依存してPTS反応が進行する系を構築した。反応の生成物として、カナマイシン耐性遺伝子産物であるaminoglycoside-3’-phosphotransferase 以下APH)を用いることで、ペプチド-タンパク質間の相互作用を大腸菌の生存を指標として検出できる。R4年度 は、この方法を用いて、がん関連タンパク質であるMDM2に結合するペプチドの探索を実施した。ペプチドライブラリをコードする遺伝子ライブラリを作製し、MDM2との結合スクリーニングを行った。ライブラリ中のMDM2結合ペプチドとMDM2が相互作用することで、活性型APHが生成し、カナマイシン含有培地中でも大腸菌が生存できると期待した。形質転換した大腸菌をカナマイシン含有寒天培地で培養し、得られたコロニーからペプチド配列を解析した。その結果、MDM2に強く 結合するペプチドを複数種類獲得することに成功した。また、得られたペプチドを化学合成し、MDM2との解離定数を算出した。R5年度は、得られたペプチドが実際に細胞内でMDM2に結合し、細胞のアポトーシスを誘導するかについての検討を行った。また、MDM2以外の標的タンパク質(Keap1およびSkp2)に対するペプチドの探索を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度は、MDM2に結合するペプチドの探索を実施し、実際にMDM2結合ペプチドを複数得ることに成功した。また、結合親和性も十分に高いペプチドが得られた。また、R5年度は得られたMDM2結合ペプチドの機能評価や、MDM2以外の標的に対するペプチドの探索について実施した。以上から、研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度は、MDM2を標的としたペプチドの探索について得られた結果をまとめ、論文として投稿する。また、MDM2以外のタンパク質として、昨年度から開始した、Keap1やSkp2に結合するペプチドの探索を引き続き行い、本手法の有用性を実証する。
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Causes of Carryover |
物価高等の影響で、当初予定していた備品の購入ができなかったことや、R6年度のやりくりも、R5年度と同様に大変なことが予想されるため。
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