2023 Fiscal Year Research-status Report
ダイズ根粒超着生変異株を使った根粒形成オートレギュレーションの機能解析
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22K05366
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
七夕 小百合 茨城大学, 農学部, 准教授 (20512221)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ダイズ / 根粒形成オートレギュレーション / 免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ダイズ根粒形成オートレギュレーションの仕組みとその進化の解明を目的とし、特に根粒形成オートレギュレーションがどのようなメカニズムと関連するかに着目している。これまで、鍵遺伝子GmNARKに変異がある根粒超着生変異株NOD1-3, NOD2-4およびNOD3-7を中心に研究を進めてきた。昨年度に引き続き変異株のゲノム解析を進めたが、NOD変異系統においてGmNARK以外の変異の影響を排除することは難しいと考えられた。当初に計画した研究の遂行のみでは十分な成果を得ることは難しく、再考が必要であると判断した。一方、昨年度までの結果から根粒形成オートレギュレーションは葉のトリコーム発生と関連する可能性が示唆されていた。葉のトリコームは、生物的・非生物的ストレスに対する防御的役割を担い、植物の免疫機能に関わると考えられる。根粒菌は共生を成功させるために、宿主であるマメ科植物の免疫応答を抑制する機能があることが知られている。根粒形成オートレギュレーションも免疫応答と関連すると考えられるが、詳細は明らかになっていない。本研究目的を達成するために、根粒形成オートレギュレーションと免疫応答との関連性に着目することが重要であるとの発想に至り、当初の計画を発展させ、免疫応答との関連性からアプローチすることとした。根粒形成オートレギュレーションと免疫応答の共通経路を明らかにする。この目的を達成するために、国際共同研究を計画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では本研究目的の達成は難しいと判断し、計画を変更・発展させることとした。R5年度は準備のため進捗が大幅に遅れたが、R6年度には速やかに推進できる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を発展させ、根粒菌感染による根粒形成オートレギュレーションと免疫応答の関連性について研究を進める。根粒菌感染初期の経路に関する研究を推進するため、R6年度に米国に渡航し共同研究を進める。
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Causes of Carryover |
既述の通り、R6年度に米国に渡航し国際共同研究を進めることとしたため、R5年度までの予算を次年度に使用するよう変更した。
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