2023 Fiscal Year Research-status Report
Effect of esterified fatty acid cis,trans-isomerase on tolerance to lignin-related aromatic compounds
Project/Area Number |
22K05399
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
園木 和典 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (20502264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 雄大 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (70880045)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | lignin / cis,trans-isomerase / Pseudomonas |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではPseudomonas属細菌のリグニン由来芳香族化合物への耐性に関わる脂肪酸シス/トランス異性化反応を調節する仕組みを明らかにすることを目的としている。これまでにPseudomonas sp. NGC7株のリン脂質に含まれるcis-不飽和脂肪酸 (cUFA) 構造がリグニン由来の芳香族化合物濃度の上昇に応答してtrans-不飽和脂肪酸 (tUFA) 構造へと異性化されることを明らかにした。cUFA構造の異性化反応は, ペリプラズム空間に局在するesterified fatty acid cis,trans-isomerase (Cti) がリン脂質の疎水性コアにアクセスして進行することが提唱されている。cti遺伝子を保有するNGC7株においてもCtiによって進行するcUFA構造の異性化反応がリグニン由来芳香族化合物濃度の上昇に応答することでその環境に瞬時に順応して増殖を続けることができることを明らかにした。 次に, cti遺伝子をNGC7株にプラスミドで導入して恒常発現させ, リグニン由来芳香族化合物への耐性に対する効果を評価した。その結果, リグニン由来の芳香族化合物が一定濃度以上になると, cUFAの異性化はより進行し, 生細胞数は減少していくことが観察された。リグニン由来芳香族化合物に対するNGC7株のcti遺伝子の発現レベルを測定した結果, cUFA構造の異性化反応に関わるcti遺伝子の発現は低レベルに維持されていることが示された。これらの結果から, cti遺伝子はリグニン由来芳香族化合物に対して瞬時に順応する機能をNGC7株に与えるものの, その発現はリグニン由来の芳香族化合物に応答して上昇しないこと, また, 発現上昇は過度のcUFA構造の異性化を引き起こし, その結果リグニン由来芳香族化合物に対する耐性を低下させることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リグニン由来芳香族化合物への耐性に関わる脂肪酸シス/トランス異性化反応を調節に関わる因子を明らかにし, おおよそ計画に沿った進行をしているため。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸菌などcti遺伝子を持たない細菌株にcti遺伝子を組込み,そのコピー数と発現量の変化がリグニン由来芳香族化合物など疎水性部分を含む化合物に対する耐性に与える効果を検証し,本研究を総括する。
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