2023 Fiscal Year Research-status Report
固相培養条件下の麹菌における遺伝子の動的発現制御機構の解明とその応用
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22K05405
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
兒島 孝明 名城大学, 農学部, 准教授 (40509080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 潤一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (00431833)
中野 秀雄 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00237348) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Aspergillus oryzae / 発酵生産 / バイオインフォマティクス / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、A. oryzaeの固体培養における遺伝子発現動態の包括的理解とその技術基盤構築を目的として研究期間2年目に以下のアプローチを実施した。 ・スクロースおよびキシランを唯一炭素源としたSC条件下のA. oryzaeにおけるmRNAレベルでの動的転写制御機構の解析 A. oryzaeをスクロースおよびキシランを唯一炭素源とした寒天プレート上で培養し、植菌後の一定期間、1日おきに菌体を回収した。これらの菌体よりRNAを抽出し、高速DNAシーケンサーによって条件ごとのA. oryzae全遺伝子の時系列発現データを取得し、可視化した上で、炭素源と培養時間によって区分された条件における発現動態を網羅的に比較した。今後、本解析結果の再現性や生物学的意義を詳細に検証の上、研究論文としてまとめる予定である。 ・A. oryzaeのクロマチン立体構造情報の取得法の検討 ナノポアシーケンサーを用いたクロマチン立体構造情報の取得法、Pore-Cを、固相培養由来のA. oryzaeのクロマチン立体構造解析に適用するため、ゲノム抽出条件や近接するゲノム領域の架橋反応条件などの詳細な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が本研究期間開始時期の2022年4月にこれまで所属していた研究機関とは別の機関へ異動したため、研究実施環境の再構築に想定以上の時間を要したことが主な要因として挙げられるが、DNAシーケンサー、解析用の高スペックのPCなど、本課題の遂行に必要とされる研究環境の整備はほぼ完了した。このため、本研究アプローチの今後の進展はおおいに期待できると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度および2023年度に得られた研究成果をもとに、下記のアプローチを実施する。 ・種々のC源を唯一炭素源とした固相培養条件下におけるA. oryzaeの全遺伝子の発現動態のデータベース化 ・上記アプローチの成果を基にした研究論文の作成と公開 ・A. oryzaeにおけるPore-Cの確立と、固相培養条件下におけるクロマチン構造の解明 ・天然SC条件である米粒上で培養したA. oryzaeにおける全遺伝子発現量とクロマチン構造の時系列データと取得と関連付け これらのアプローチを通して、新奇の高機能性A. oryzaeの創生技術基盤を確立する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験内容の一部を実施できなかったため。差額分は次年度におけるゲノム構造の経時変化の解析に関連する実験に必要な消耗品購入分とする予定である。
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