2023 Fiscal Year Research-status Report
Machine-learning prediction of the protein plasticity regions related to denaturation and aggregation
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22K05431
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
日び 隆雄 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (00285181)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 立体構造予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
モデルタンパク質の変異体構築と構造解析 好熱性放線菌Thermobifida fusca AHK119由来クチナーゼ(CutA、ポリエステルヒドロラーゼ)について、強化学習に必要な酵素変異体ライブラリーを引き続き作製した。 現在、55変異体酵素の遺伝子について発現ベクターを構築し、そのうち酵素発現を確認できた43変異体について、SDS-PAGE上で単一バンドを確認できる精製酵素を得た。SYPRO Orangeを用いた示差走査蛍光測定により精製変異体酵素の熱安定性を評価した結果、Tm値は52.8℃から65.8℃であった。得られた精製酵素について、シッティングドロップ蒸気拡散法による結晶化の条件を検討してきた。 43変異体のうち、結晶が得られたものが18変異体であった。その内訳は、針状の微結晶を生じたものが14変異体、板状の単結晶が得られたものが4変異体であった。単結晶が得られた変異体酵素のうち、R186Q、Y44GについてSPring8のビームラインBL-26B1でX線結晶構造解析を行なった結果、到達分解能 1.47、1.49Åで回折強度データを収集することができ、回折データのばらつきの指標であるRmergeが0.046、0.058 と良好なX線回折強度データセットを得た。現在、分子モデル構築を行っている。また、AlphaFold3が発表されたことから、これらについて新たな予測モデルを構築し、AlphaFold2との予測モデルや、結晶構造との違いについても比較を行う予定である。 興味深いことに、熱安定性が下がった変異体の方が、結晶性が良いものや高い活性を示したものが多い傾向が見られた。今後、サンプルの数が増え、機械学習による相関性の分析を進めることで、これらの傾向の分子的な機構の解明が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)可塑性領域予測モデルの構築 モデルサンプルの酵素変異体ライブラリーの構造解析が遅れた影響で、モデル構築を中断している。 2)モデルタンパク質の変異体構築と構造解析 得られた変異酵素ライブラリー43変異体のうち、半分弱の18変異体で結晶生成を確認した。これらについては結晶化条件の精密化を行っており、2つについては既に結晶構造モデルの構築に取り掛かり、残りの2つについても構造解析を開始する予定である。ただし、それ以外の14変異体については、まだ回折強度が十分得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1)可塑性領域予測モデルの構築 ALphaFold3の登場などがあり、プログラムの新たな構築が必要になっている。X線構造解析のモデル数を少なくなるが、結晶が得られている変異体の熱安定性は、最高から最低までバラエティに富んでいる。これらのデータと、PDBデータから安定性と変異体構造が関係づけられるデータを収集し、モデル構築に用いることを検討する。
2)モデルタンパク質の変異体構築と構造解析 X線結晶構造解析が現状の条件では得られていないものについては、添加剤や結晶化方法を変えながら、少しでも多くの結晶構造が得られるように注力する。
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Causes of Carryover |
予定していたアルバイト雇用者が家庭の事情により雇用できなくなり、進行が遅れたため、次年度使用額が生じた。最終年度は10-20変異体のX線結晶解析を行う予定であるため、その実施に必要な施設利用料などの費用とする。
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