2022 Fiscal Year Research-status Report
ジアシルグリセロールキナーゼが関与するがん進行機構の探索
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22K05444
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
甲斐 正広 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80260777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ジアシルグリセロールキナーゼζ(DGKZ)と腫瘍の悪性度に関連したDGKZの新たな生理機能を探索するために、DGKZの様々なアイソフォームのクローニングを試みた。まずGENBANKに登録されている主要な5つアイソフォームを選び、qPCR用プライマーを製作した。大腸がん細胞株(HCT116、RKO、DLD1、SW480、SW620、Colo320、Caco2)および正常大腸上皮細胞のRNAを使用して、大腸がんで強く発現しているDGKZアイソフォームをqPCRにより解析した。その結果、特に強く発現している2つのアイソフォームを同定した(NM_001105540.1およびNM_001199266.1)。この2アイソフォームのクローニングを行ったところ、思いの外手間がかかったものの最近ようやく完了した。これからアイソフォームの発現による細胞のフェノタイプの違いについて検討を進めていく。 メラノーマにおけるジアシルグリセロールキナーゼγ(DGKG)の生理機能探索についても引き続き検討を続けた。DGKGの不活性型ミュータント(KD, kinase-dead)と常時活性化型ミュータント(CA, constitutively active)のどちらを発現してもメラノーマ細胞の遊走能および浸潤能が強く抑制されることから、酵素活性とは無関係な未知のメカニズムの存在が示唆されている。そこでDGKGと結合する新規タンパク質を同定するために細胞抽出物から免疫沈降によってDGKGを単離し、質量分析法を用いて候補タンパク質の絞り込みを行う。現在は予備実験を重ねている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主に家庭の事情により研究に集中できない期間が続いたことが遅れの原因の一つであると考えている。貴重な研究費を十分に活かすために、本年度からは研究分担者の協力を仰いでしっかり研究を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
メラノーマを用いたジアシルグリセロールキナーゼγ(DGKG)の機能を明らかにする目的で結合タンパク質の同定を試みている。メラノーマ細胞に過剰発現させた本酵素を免疫沈降によって単離し、質量分析により解析することを目指しているが、現在のところまだうまくいく兆候が得られていない。より効率的に解析を行うための試料調製についてさらに検討を進めていく。 ジアシルグリセロールキナーゼζ(DGKZ)と腫瘍の悪性度に関連したDGKZの新たな生理機能を探索については、大腸がんで強く発現しているDGKZの2アイソフォームをクローニングができたので、これからアイソフォームの発現による細胞のフェノタイプの違いについて検討を続ける。増殖、遊走、浸潤、アポトーシスなどの影響について違いがあるかどうか確認したい。
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Causes of Carryover |
一昨年終了予定の科学研究費(本件とは別の課題)についてコロナの影響により研究の進展が大幅に遅れた結果、かなり多額の残額が生じたためこれを次年度使用額として申請した。これを昨年度利用したために実験機器など物品費において予算をかなり節約することができたために、今回の次年度使用額が生じた。本年度は研究進行の遅れも踏まえてより効率的な研究を遂行するためにクローニング作業の外注やテクニシャンの人件費などを増額して対処したいと思う。
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Research Products
(1 results)