2022 Fiscal Year Annual Research Report
C型レクチン受容体の乳酸菌認識と腸管T細胞分化への影響の解析
Project/Area Number |
22K05475
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
島津 朋之 宮城大学, 食産業学群, 准教授 (20616437)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CLR / 乳酸菌 / SLP |
Outline of Annual Research Achievements |
近年増加するアレルギー疾患など、免疫が関わる疾病でのT細胞の役割は大きい。そのため、食からT細胞応答を調節できれば様々な疾病の予防・治療に大きく貢献できる。これまで乳酸菌の免疫応答の起点となる自然免疫受容体の中で、宿主に存在するC型レクチン受容体(CLR)ファミリー分子が免疫機能に影響を及ぼすことを認めている。しかし、CLRと乳酸菌の関係性はこれまでほとんど着目されておらず、不明な点が多い。本提案では、CLRと乳酸菌との関わりを幅広く分子レベルで明らかにし、そしてCLR反応性乳酸菌が腸管T細胞分化へ与える影響について検討することを目的とした。本年度は、CLRの一種Mincleと乳酸菌との関係性について知見を深め、そして新たなCLR受容体との反応性について探索を行った。 熱殺菌した乳酸菌L. brevis がMincleと反応することを報告している。これまでの結果から表層タンパク質(SLP)の関与が考えられたため、L. brevis La37株からSLPを抽出し、検討を行った。その結果、SLPがMincleのリガンドであることが明らかとなった。また、Mincle刺激性はSLPが遊離したような状態では刺激性が弱いこと、そして抽出SLPには糖が存在することを明らかにした。現在、SLPについての詳細を検討している。ところで、多様な乳酸菌がSLPを持つことが知られている。そこで、SLPの有無を元に様々な乳酸菌(計9菌種)について検討したところ、SLPを持つ乳酸菌のSLP全てがMincle反応性を示した。これらについても詳細を検討中である。一方で新たなCLR受容体との結合を検討するため、計12種類のCLR-Fcを作成し検討を行った。いくつか結合が認められたため、レポーター細胞を作成しその結合性について検討を行っている。
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