2023 Fiscal Year Research-status Report
パイエル板Tfhによる抗体産生制御:対立遺伝子排除の破綻とアレルギーの抑制
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22K05481
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
橋口 昌章 日本医科大学, 先端医学研究所, 准教授 (20372443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 佳子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (90362467)
鍔田 武志 日本大学, 歯学部, 客員教授 (80197756)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | IL-21 / IgE / IgG1 / 形質細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgMおよびIgGが主に誘導される全身免疫応答と異なり、IgA抗体産生は粘膜免疫応答の特徴であるが、その産生機構ついては不明な点が多い。申請者は、抗体産生を亢進するIL-21が小腸に点在しIgA抗体の誘導部位と考えられるパイエル板において高発現であること、また、IL-21はIgEへのクラススイッチを抑制することを見出している。本研究では、IL-21がIgA産生亢進、およびIgE産生抑制の機構を明らかにすることを目的とした。 昨年度までに、IL-21によりIgEヘのクラススイッチが抑制される機構として、IgG1からIgEへのクラススイッチが抑制されることを示唆する結果を得ていたが、qRT-PCRにて遺伝子発現を観察したところ、IL-21添加により抗体産生細胞へと分化を誘導するマスター因子であるBlimp1およびXbp1の発現が上昇していることが明らかとなった。また、フローサイトメトリーにより、IgG1陽性細胞において抗体産生細胞のマーカーであるCD138発現が上昇した。このことより、IL-21添加によりIgG1抗体産生細胞への分化が促進することが示唆された。さらに、in vivoでのIL-21の影響を評価するため、抗原免疫の際、抗IL-21R抗体を投与し、誘導される抗体のアイソタイプを観察したところ、抗IL-21R抗体投与群で、コントロール抗体投与群と比較して、IgG1陽性細胞の頻度の変化は認められなかったのに対し、IgE陽性細胞の頻度が上昇し、in vivoにおいてもIL-21はIgE産生に抑制的に作用していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IgA+ IgM+細胞のレパトア解析の条件の検討に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、IgA+ IgM+細胞のレパトア解析の条件を定め、解析を行う。また、IL-21によるIgE抑制の分子メカニズムについて検討する。
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Causes of Carryover |
条件の検討に時間がかかり、その分の進行が予定より遅くなった。 IgA+ IgM+細胞のレパトア解析に必要な酵素等試薬、およびプラスチック製品等に充てる。
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