2022 Fiscal Year Research-status Report
食成分に着目したDOHaDの予防法の確立:エピジェネティック作用によるアプローチ
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22K05483
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大橋 鉱二 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (60278281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗綱 栄二 藤田医科大学, 医学部, 助教 (30600431)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フルクトース / メチル化 / 栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
フルクトースは、誰しもが日常的に摂取する天然甘味料であり、生活習慣病を始めとする様々な疾患の原因になることが知られている。申請者らは妊娠期のフルクトース過剰摂取が次世代に及ぼす影響について研究を進めてきた。これまでに、申請者はフルクトース過剰摂取の母ラットから生まれた仔は肝臓での脂質代謝に関連するPparaやIgf1のDNAメチル化異常により遺伝子発現低下を示し、成長するに従って、インスリン抵抗性や脂質異常症などが現れることを見出した。DNAメチル化は一旦付加されると同一の環境下では安定に維持され、長期的に遺伝子発現の活性に影響することが知られている。一方で、DNAメチル化は食生活等の生活習慣に応じて変化することも知られている。例えば申請者の以前の研究では、ラットの食餌の糖栄養バランスを変化させると、肝臓の特定の遺伝子のDNAメチル化率が変化することを明らかにしている。従って、食事からの栄養環境をコントロールすることにより、DNAのメチル化率の変動が誘導され、次世代の疾患発症リスクの低減が可能であると考えられる。 栄養環境をコントロールすることはインスリン抵抗性や脂質異常症を改善する代表的な方法である。栄養環境をコントロールすることでメタボリックメモリーの解消が可能であると仮説を立てた。そこで本研究はフルクトースによるDOHaD現象に有効な栄養環境のコントロール方法を検討するとともに代謝異常の改善メカニズムをエピジェネティックな観点から調べる。本年度は細胞を用いて各種栄養分子がPparaとIgfのプロモーターメチル化率に及ぼす影響を解析してきた。しかし、安定した結果が得られていないため、細胞株のクローンを再度作成し直し、アッセイ系の再検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
メチル化率測定が不安定なため
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Strategy for Future Research Activity |
安定した結果が得られるようになれば、DNAメチル化率を改善する栄養素のスクリーニングアッセイを行う
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Causes of Carryover |
パイロシーケンス試薬を購入予定(37000円)
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Research Products
(5 results)