2023 Fiscal Year Research-status Report
加工食品の特性が栄養成分表示値の信頼性に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
22K05487
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
竹林 純 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部, 室長 (30421837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 一平 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部, 主任研究員 (00812439)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 栄養成分表示 / 信頼性 / 食品栄養分析 / 実測調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】バランスの取れた食生活は健康の維持・増進にとって重要である。加工食品には、特に重要な栄養成分(熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量)の含有量の表示が義務付けられているが、わが国において、これらの表示値の信頼性を包括的に検討した研究はない。そこで、本研究では、日常的に利用されている加工食品全体をカバーできるように十分な種類・数の製品を買い上げ、実測調査により表示値の信頼性を評価することを目的とした。本年度は、3年計画の2年目であり、実測調査による検証を実施した。 【方法】JICFS(JAN Item Code File Service)分類を参考に、加工食品全般から広く製品を選択し、91品目を入手した。食品表示基準に定められている栄養成分表示のための公定法に従って義務表示成分の実測を行い、表示値と比較した。 【結果】各成分について、表示値に対する実測値の割合が80~120 %である製品の割合は以下であった:熱量 81 %;たんぱく質 90 %;脂質 71 %;炭水化物 51 %;食塩相当量 81 %。表示値と実測値の乖離は、各成分の含有量が微量の場合に顕著となる傾向が認められた。また、今回調査した検体の6割程度は推定により得られた値による栄養成分表示を行っていた。 【結論】今回調査した範囲においては、わが国における栄養成分表示値の信頼性は高いと考えられた。次年度は、さらに買上調査を進め、表示値の信頼性に及ぼす加工食品の特性について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の検討で、懸念事項であった水分測定について効率化が図れたため、2年目は効率的に実測調査により表示値の信頼性評価を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、研究成果の取りまとめを意識しつつ、実測調査による表示値の信頼性評価を引き続き進める。さらに、加工食品の特性が表示値の信頼性に及ぼす影響について、より深く焦点を当てた研究を推進する。
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Causes of Carryover |
1年目の計画の遅れにより次年度使用額が生じた。次年度は、加工食品の栄養成分測定を一部外部委託する等検討し、効率的に研究を推進する。
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