2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on application of HHO gas in food sterilization using plasma-based ion implantation
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22K05504
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
角川 幸治 広島工業大学, 生命学部, 教授 (60441507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 武 広島工業大学, 工学部, 教授 (10197444)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プラズマベース注入法 / 殺菌 / HHOガス |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマベースイオン注入(PBII)法を用いた食品殺菌技術の開発に向けて、HHOガスを用いた様々な微生物種に対する殺菌効果の確認、及び,殺菌メカニズム解明に向けた情報収集を行った。まず、グラム陽性菌としてStaphylococcus aureus、グラム陰性菌としてEscherichia coliを用い、殺菌効果の確認を行った。その結果、HHOガスを用いると、酸素ガスよりも効果的に殺菌が出来る事が確認出来た。殺菌効果については、10E8濃度の菌全てが殺菌されていた為、8D以上の殺菌効果があったと思われるが、現時点では、正確な殺菌効果の確認は出来ていない。次に、耐熱性芽胞菌であるGeobacillus stearothermophilusに対する殺菌効果については、パルス幅、ディレイ時間の変更が、殺菌効果にどの様な影響を与えるか調査を行った。その結果、1Paの低ガス圧で十分な殺菌効果が得られる条件の特定が出来た。しかし、各実験条件に対する殺菌結果を精査した結果、当初想定していなかった要因によって殺菌効果が上昇している可能性が示唆された。その為、PBII法による殺菌効果メカニズムを解明することを目的として、酸素ガスを用い、チャンバー内で発生している物理化学的現象を明らかにすべく種々のデータ取得を行った。ここで、HHOガスではなく酸素ガスを用いた理由は、PBII法による殺菌メカニズムを明らかに為には、より簡単な条件でシミュレーションを行う必要があると考えた為である。その結果、PBII法の殺菌メカニズムについて、その解明につながる情報が順当に取得出来ている。なお、HHOガスを用いた方が殺菌効果も高く、装置に付属するガス供給装置を小型化出来ると考えられる事から、今後は、当初の計画どおりHHOガスを用いた用途別処理条件の確定を行い、食品用殺菌装置の設計につなげていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究計画では、シミュレーションの結果を活用した最適殺菌装置の設計まで行う予定であった。しかし、研究実績にも記したとおり、当初、想定していなかった要因が原因で微生物の殺菌が行われている可能性が示唆されたため、あらためて、条件を変更し、基礎データの取得を行っている。その為、シミュレーションについてはそれらのデータを取得してからの実施となったため、現時点では、十分な解析が出来ていない状態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、殺菌メカニズムの解明を進めつつ、当初、目的としていた実食品に対する殺菌効果の検証と有機薄膜等を用いたプラズマ処理評価系の構築は行って行く予定である。ただし、2023年度に明らかとなった内容を反映させるため、当初とは異なる内容のデータも併せて取得を目指していく事になると考えている。
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Causes of Carryover |
2023年度については、PBII法による殺菌メカニズムが、当初とは異なる事が示唆される結果が得られたため、年度途中より、微生物を用いた研究ではなく、チャンバー内の物理化学現象を捉える実験を行うこととなった。その為、当初の想定よりも研究予算が余る結果となった。2024年度については、予定どおりの研究を行う計画である為、予算執行についても特段の問題無く行えると考えている。
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