2022 Fiscal Year Research-status Report
Nutritional study of the plastic bag heat-retention cooking method for disaster food assistance for people with renal insufficiency
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22K05531
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
明神 千穂 近畿大学, 農学部, 講師 (90529752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 正子 近畿大学, 農学部, 准教授 (20221038)
郡 俊之 甲南女子大学, 医療栄養学部, 教授 (80440999)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 保温パッククッキング / パッククッキング / 保温調理 / 腎機能障害者 / カリウム / 野菜 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎機能障害者の多くは食事上の制限を抱えているため、災害時の避難所や住宅避難時に日常の食事ができなくなると、重大かつ急速な健康障害を来す。カリウムは腎機能障害者にとって制限すべき栄養素であることから、カリウムを多く含む野菜の摂取は控える必要がある。一方、食物繊維の多い野菜は、身体を動かすことが少ない避難所では、被災者の便通や腸内環境の維持のために最も摂取したい食材でもある。我々はこれまで、停電、断水下でも省エネルギーで衛生的に調理可能なポリ袋を用いた保温調理法(以下「保温パッククッキング法」)を考案し、保温パッククッキング法の方法論の確立及び有効性を化学的に明らかにしてきた。本研究ではこれらの手法の実績をもとに、カリウムを低減しつつ、有効成分は維持する野菜のパッククッキング調理法の確立を行うため、まずは腎機能障害者向けの通常の野菜の調理法の調査を行った。さらにポリ袋内で効率的にカリウムの低減するための調理条件(水量、加熱・保温時間、切り方)の予備調査を行った。葉菜類等はかさがあるためポリ袋内ですべての野菜が水に接触させるには、重量の2倍の水量が必要であった。一方ニンジンなどの根菜類は野菜の水に接触するには同量の水でよいことが明らかとなった。またパッククッキング法でニンジンを20分加熱すると、約40%のカリウムがポリ袋内の水へ流出することが明らかとなり、パッククッキング法でもカリウムの低減が実施できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3か年計画である1年目の2022年度は、パッククッキング内で効率的にカリウムの低減ができる調理条件(水量、加熱・保温時間、切り方)の検討を行い、葉菜類(キャベツ、コマツナ)、根菜類(ダイコン、ニンジン、タマネギ、カボチャ)を用いて実施する予定であったが、調理条件の設定に時間を要し、葉菜類(コマツナ)および根菜類(ニンジン)の予備試験のみとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、葉菜類、根菜類などの野菜の種類を増やし、ポリ袋内で効率よくカリウムが低減できる調理条件等の基礎的なデータの蓄積を行っていく。
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Causes of Carryover |
調理条件の検討に時間を要したことから、葉菜類や根菜類のカリウムの低減に関するデータ数が不十分であった。よって次年度も引き続き、保温パッククッキング法、パッククッキング法を用いて葉菜、根菜類の調理を行い、カリウム低減量の評価を行う。カリウムの測定は外部測定機関へ依頼するため、その測定費用として必要となる。
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