2022 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of interaction between protein particles and lipid doplets
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22K05542
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
下山田 真 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (60235695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 勇人 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (90781815)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 豆乳 / 脂質 / タンパク質 / 凝集体 / 濃縮 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
豆乳中の脂質粒子(直径 約0.3μm)とタンパク質粒子(直径 約0.1μm)を分画するために、孔径0.2 μmの膜で豆乳を処理した。得られたろ液と循環液を分析したところ、タンパク質粒子はろ液には検出されず、脂質粒子とともに循環液に回収され、分画することはできなかった。膜の孔径を0.5μmに変更しても、同様に分画することはできなかった。0.5μmの孔を直径0.1μmのタンパク質粒子が通過しないことにも興味が持たれた。 膜分離による分画が困難であったため、ショ糖添加系での遠心分離を試みた。既報に従って遠心分離を行い、豆乳を脂質粒子リッチなクリーム画分とタンパク質粒子リッチな上清画分に分画することができた。 遠心分離で得られた画分のうち、タンパク質粒子を多く含む上清を透析後に濃縮処理したところ、固形分濃度18%程度で濃縮の限界となり、それ以上に水分を除去しようとしても同時に固形分の不溶化が起こるものと考えられた。一方で、透析した上清画分にクリームを添加したうえで濃縮を行ったところ、固形分濃度20%以上に濃縮することが可能であった。このことから豆乳を濃縮していく際に、クリーム画分(オイルボディー粒子)の存在がタンパク質粒子の分散性を高く保つうえで重要であることが示された。 上清および上清+クリームのそれぞれの画分を濃縮したのちに回転粘度計にて粘度を求めたところ、上清画分は18%まで濃縮したところ、流動性指数が0.88でコンシステンシーは0.123 Pa・s0.88であった。一方、クリーム画分を添加した場合には流動性指数として0.4程度から0.5程度となりコンシステンシーも3から27と上清画分の濃縮物よりも非ニュートン性は高く、粘度も高い傾向を示した。これらの結果よりオイルボディー粒子はタンパク質粒子の分散性の向上に寄与しながら、その粘度上昇を促進しているものと推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膜分離による豆乳の分画が不調であり、分画条件の再検討を行ったために時間を要した。最終的に膜による分画は難しいと結論づけ、遠心分離に切り替えて課題の遂行を継続した。なお、膜分離が予測に反した結果となった点についても興味が持たれるため今後別の機会に検討を進めるべきと判断した。 遠心分離によって得られた画分については新しい知見となるような粘度データを得ることができたため、次年度以降遅れを回復できる可能性が高まったものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
遠心分離によって分画された豆乳画分を用いてタンパク質と脂質の相互作用について検討を進める。本年度の新たな知見としてタンパク質リッチな画分では固形分の分散安定性が低下している状況がみられたため、2023年度はタンパク質の分散性向上という観点からまず脂質画分の影響について評価したうえで、タンパク質と脂質との相互作用について定性的な解析を主に試みる。流動特性とタンパク質の構造解析よりエマルションの構造について考察を進める。さらに2024年度には相互作用について定量的な分析が可能となるように準備を進める。
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Causes of Carryover |
豆乳の脂質粒子とタンパク質粒子への分画にやや遅れが生じた。そこで、分画物を再構成した状態の粘度測定等は実施できたものの、流動特性の詳細な解析は次年度へと延期した。次年度は分画物あるいは再構成した試料を用いて濃縮物を得、その流動特性を順次解析する予定としている。合わせてFT-IRなどのデータと組み合わせることでエマルション構造の変化について考察する。
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