2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K05565
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
芳本 玲 摂南大学, 農学部, 准教授 (70595652)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | circRNA / 4.5SH |
Outline of Annual Research Achievements |
環状RNA(circRNA)は、癌や統合失調症、そして自己免疫疾患といった重要な疾患との関わりがある新たな遺伝子モジュレーターであり、ヒトでは数千種類同定されている。circRNAの多くは細胞質で機能するが、mRNAと比べて末端構造がないためその核外輸送機構には不明な点が多い。申請者のこれまでの研究で、circRNAの核外輸送は長さに応じて異なる核外輸送経路で輸送されること、さらに1000塩基未満の短いcircRNAは未知の輸送経路で核外輸送されていることを見出した。本研究提案では細胞がcircRNAの長さを認識し、核外輸送する機構を解明する。さらに短いcircRNAの核外輸送と自然免疫応答との関わりを通して細胞がcircRNAの核外輸送経路を使い分けることの意義を解明する。新規輸送経路の同定という基礎研究から、重要な疾患に関わる機能解析へと至る研究を提案したい。 当該年度は、前年度に引き続き、機能性circRNAの一つであるciRS-7/CDR1の核外輸送経路について論文化のためにデータを集めたとともに、ノンコーディングRNA 4.5SHの新機能を論文として形にすることができた。さらにげっ歯類特異的なノンコーディングRNAである4.5SHをノックアウトしたES細胞において、特定のcircRNAの成熟機構が阻害されていることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、circRNA核外輸送において、長さの違いを見分けるメカニズム解明と自然免疫応答に対する効果の検証を目的とし、以下の2つのテーマを提案する。 ①circRNA核外輸送経路に関わる因子の同定(R4~5) ②短いcircRNAと長いcircRNAが異なる経路で核外輸送される意義の探求(R5~6) ②のテーマ遂行時、思いがけず見出した4.5SHの新機能を、Molecular Cell誌にて報告することができた。 さらに、4.5SHとcircRNAとの関係を見出すことができ、新たなcircRNA成熟機構の存在が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策について本研究で提案した2つのテーマ毎に記す ①circRNA核外輸送経路に関わる因子の同定(R4~5) 機能性circRNA ciRS-7/CDR1asのcircRNA輸送経路が示せたので論文化を目指す。 ②短いcircRNAと長いcircRNAが異なる経路で核外輸送される意義の探求(R5~6) 4.5SHによって制御されているcircRNAをRNaseR処理とRNA-Seqとを組み合わせることにより網羅的に解析し、その詳細なメカニズムをミニジーンをもちいて明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 4.5SH RNA counteracts deleterious exonization of SINE B1 in mice2023
Author(s)
Rei Yoshimoto, Yuta Nakayama, Ikuko Nomura, Ikuko Yamamoto, Shigeyuki Tanaka, Misuzu Kurihara, Yu Suzuki, Takehiko Kobayashi, Hiroko Kozuka-Hata, Masaaki Oyama, Mari Mito, Shintaro Iwasaki, Tomohiro Yamazaki, Tetsuro Hirose, Kimi Araki, Shinichi Nakagawa
Organizer
第24回日本RNA学会年会
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[Presentation] 4.5SH RNA counteracts deleterious exonization of SINE B1 in mice2023
Author(s)
Rei Yoshimoto, Yuta Nakayama, Ikuko Nomura, Ikuko Yamamoto, Shigeyuki Tanaka, Misuzu Kurihara, Yu Suzuki, Takehiko Kobayashi, Hiroko Kozuka-Hata, Masaaki Oyama, Mari Mito, Shintaro Iwasaki, Tomohiro Yamazaki, Tetsuro Hirose, Kimi Araki, Shinichi Nakagawa
Organizer
第46回日本分子生物学会年会
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