2022 Fiscal Year Research-status Report
ダイズの着生根粒菌種を制御するQTLの同定と農業形質への影響
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22K05571
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80378819)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ダイズ / 根粒菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイズ染色体18番に検出された、着生根粒菌種比率に関わるQTLのファインマッピングを行い、240kbの染色体領域に絞り込むことができた。ダイズゲノムに関するデータベースと照合すると、この染色体領域には30個の遺伝子が座乗していることが推定され、遺伝子のannotation情報から、Rj遺伝子群を含む既報の根粒関連遺伝子ならびにホモログは存在しないことから新規の根粒関連遺伝子であることが示唆された。更なるファインマッピングによる絞り込みは実施困難であり、次年度は、RNA-seq等の遺伝子発現を調査することによって、原因遺伝子の絞り込みを行う予定である。 ロングアンプリコンを解析できるシーケンサーが利用可能となったので、5.2kbpのロングアンプリコンと従来の400bpアンプリコンとの解析を比較した。5.2Kbpのロングアンプリコン解析では、ITS領域を挟むrRNA配列内の保存された領域にプライマーを設計した。400bpのショートアンプリコン解析では、ITS領域内の保存された領域にプライマーを設計した。400bpアンプリコンにおいては根粒菌の系統が把握できたのに対し、5.2kbpロングアンプリコンにおいては更に詳細な情報を得ることができて高度な系統の把握が可能であることが示唆された。 農研機構が提供するコアコレクションを栽培し、播種4週間後に掘り起こして根粒菌を採取した。染色体18番のQTL領域を含む準同質遺伝子系統の作出を目指して、RIL(組換え近交系)に親品種を戻し交雑した。次年度は農業形質について調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QTLのファインマッピングが順調に進んでおり、遺伝子数を30にまで絞り込むことができた。また、農研機構が提供するコアコレクションを栽培し、着生根粒菌を採取することができた。これらの状況から研究は順調であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定している計画に変更はなく、RNA-seqによる候補遺伝子の絞り込みを優先して行い、形質転換体の作成を行っていく。
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Causes of Carryover |
塩基配列解読の請負に関して、サンプル準備が年度末の期日に間に合わないことが判明したため、次年度に繰越して行うこととした。
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